我が国は2012年 3 月,GMP査察当局間の法的拘束力を持たない非公式な協力の枠組みである医薬品査察協定及び医薬品査察協同スキーム(Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme: PIC/S)に加盟申請を行い,2014年 5 月に45番目の加盟当局として承認された.PIC/S加盟に向け,個々のGMP
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の質の確保が課題の一つとして浮き彫りとなり,GMP合同模擬査察の拡充等により教育訓練の強化が図られるとともに,GMP調査要領が改定され,
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の要件等が定められた.要件のうちGMP関連業務の経験に関しては国立保健医療科学院で実施している医薬品医療機器の品質確保に関する研修(旧称:薬事衛生管理研修)を修了すれば 1 年間の経験に相当と規定された.同研修は国際的レベルのGMP調査を遂行できる
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の養成を目指しており,1987年度の開講以来,GMP
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の教育訓練において重要な役割を担っている.本稿では我が国でGMP
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を対象として行われている教育訓練と,医薬品医療機器の品質確保に関する研修の概要を紹介する.
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