洛東江の河口潮間帯は, 旧北亜区の候鳥の飛来地 (1966年に国有記念物に指定) として, 生態学的価値があり, その保全は国際的に重要である。河口堰の建設は, 現在, 平衡状態にある河口部の河床や干潟の形態に変化を及ぼし, 河口生態系は, その干渉に伴って撹乱される。河口堰の位置選定に当っては, 生態学的見地からの判断が優先された。また, 河口部の流況を保守しうるような本体水門部の構造設計, および, これら設備の操作管理体制が導入され, 河口堰の建設によって予想される環境へのマイナス・インパクトを最小化するよう配慮された。
抄録全体を表示