1.製茶再製用水平ぶるいのふるいわけ特性および最適操作条件などを明らかにするため,ふるいわけ時間と分粒率との関係,ふるいわけ中の各時間におけるふるい下粒子の粒度および粒形,投入量の影響,振幅と振動数との関係等を調査した。'
2.回分式の水平ぶるいにおいては1ふるいわけに及ぼす因子として,ふるいわけ時間の影響が著しいことを明らかにした。また玉線茶のような球形粒子のもののほうが,煎茶のゆな彫粒子のものより,分粒初期に多くの粒子がふるいわけられ,ふるい目の開き寸法の大きいもののほうが,小さいものより分粒初期に多くの粒子がふるいわけられることを明らかに1した。
3.分粒初期に小粒子が多くふるいわけられ,ふるい,わけ時間がたつにしたがつて,細長い大きな粒子がふるいわけられることを明らかにした。
4.投入量の少いものほど分粒初期に多くの粒子がふるいわけられ,また.同一粒度分布のものをかなり長時間ふるいわけても,投入量の多いほどふるい下となる粒子が少くなることを明らかにした。
5.振幅2~106mmの水平ぶるいにおいては,最適操作条件(振幅と振動数との関係)として,次の橋本の実験式が適用できることを明らかにした。
NB0.585=2,000~2,500
ただし,Nは振動数(rpm),Bは振幅(mm)である。
6.振幅27~106mmの低速振動ぶるいにおいては,振動数が最適に近い状態であれば,分粒率に大差はなかつたが,振幅2mmの高速振動ぶるいは前者に比較して,薯しくふるい下粒子が少くなつた。よつて製茶の分粒にはある程度振幅の大きい低速振動ぶるいを用いるのがよいよう1に認められた。
この研究を行うにあたり,御懇篤な御指導を賜わつた名工試,橋本建次技官,ならびに当茶業部,上野健二技官,本杉朝太郎技官,また実験に協力していただいた家弓実行氏に厚く御礼申し上げるとともに,実験装置を提供され便宜をはかつていただいた寺田産業株式会社に深く感謝する。
抄録全体を表示