福島県内の病院の精神科にて加療されている15~55歳のてんかん患者836例について, てんかん患者における精神症状の発現率と発症要因を調査した。精神症状を呈した例は836例中125例 (15.0%) であった。精神症状は部分てんかん例, 部分発作例, 境界知能例, 発作頻度の多い例, 脳波所見で基礎波異常のみを認める例において有意に発現率が高かった。性差, てんかんの初発年齢, CT所見には精神症状発現率に有意差はみられなかった。精神症状の状態像の主なものは, 分裂病様状態42例 (5.0%), 躁うつ病様状態27例 (3.2%), 神経症様状態14例 (1.7%), 性格変化41例 (4.9%) であった。
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