第1アミン類は,5-ニトロサリシルアルデヒド,硫酸銅,トリエタノールアミン,アセトアルデヒドよりなる錯体形成試薬により,水およびメチルアルコールに不溶な銅錯体を形成する.そこで形成した沈殿を濾過分離し,濾液中の未反応銅および沈殿中の銅を原子吸光法で測定し,第1アミン類を間接定量する方法を検討した.
添加する各試薬の影響は,アニリン0.53mgを用い検討した.濾液中の銅を測定する方法の場合では,測定溶液中トリエタノールアミンは1.26mg,アセトアルデヒドは50(v/v)%水溶液を用いて行ない,アセトアルデヒドとして4.5×10
-5m
lまでは影響を与えなかった.またアニリンと錯体形成試薬との反応率は,5-ニトロサリシルアルデヒドはアニリンに対し等モル以上,銅イオンはモル比でアニリン/銅イオン1.8までの添加でほぼ完全に反応し,回収率も満足する結果を得た.共存物質の影響にっいては,第2,第3アミン類は15~100倍共存しても影響は認められなかった.金属イオンは低濃度でも影響したが,アンモニアアルカリ性下,クロロホルムで第1アミン類を抽出することにより金属イオンの影響の除去は可能であった.
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