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クエリ検索: "長南博邦"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 正木 武治, 中村 啓治, 副島 正美
    日本農芸化学会誌
    1977年 51 巻 3 号 147-157
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1. 一定のpH範囲で酸-塩基指示薬の特定波長の吸光度が遊離してくる微量の水素イオンの量に応じて,直線的に減少または増加する事実について,至適pHが8付近にあるトリプシン,プロナーゼEのプロテアーゼ活性がフェノールレッド(PR),およびニュートラルレッド(NR)のみをふくむ反応系(PR法,およびNR法),PRとトリス緩衝剤をふくむ反応系(PR-T法)で560nm,530nmの波長を用いて,簡単に測定できることを示し,その条件について検討した.
    2. NR存在下および非存在下の反応系で,トリプシンのゼラチンに対するプロテアーゼ活性をpHスタット法で測定し,両者を比較した結果,NRのプロテアーゼ活性に対する影響はほとんど認められなかった.また,ゼラチンに対するトリプシンのプロテアーゼ活性をPR-T法で測定した結果,560nmにおける吸光度の変化はゼラチンからトリプシンによって加水分解されて生成されるカルボキシル基,およびアミノ基によるものであることが証明された.
    3. トリプシン,およびプロナーゼEのPR法(またはNR法)ならびにPR-T法によるフロテアーぜ活性の測定条件,すなわち指示薬,基質の濃度,pHおよび酵素濃度(反応液3ml当りの測定範囲)は,次のとおりである.
    PR法(PR:8.3ppm);2.5%ゼラチン(pH 8.0,トリプシン0.50~6.0μg),1%カゼイン(pH 8.0,トリプシン1.20~6.40μg).NR法(NR:25ppm);2%ゼラチン(pH 8.0,トリプシン0,21~1.71mg),1.5%カゼイン(pH 8.0,プロナーゼE 25.0~174μg).PR-T法(8.3 ppm-5~10 mMトリス塩酸緩衝液,pH 8.0); 2.5%ゼラチン(トリプシン,3.20~18.0μg),1%カゼイン(トリプシン,4.60~22.4μg).この条件下では,560nmおよび530nmにおける1分間当りの吸光度の変化(初速度)は,上記酵素濃度に比例した.
    4. PR-T法で,ゼラチンを基質とした場合,トリプシンの比活性は,約71単位,カゼインを基質とした場合,約30単位と算出された.これよりトリプシン1分子(M.W; 24,000)当りゼラチン,カゼインからそれぞれ1分間に1700 mole, 700 moleのカルボキシル基が遊離されたことになり,トリプシンがカゼインよりもゼラチンをよく切断することを示し,従来の結果とよく一致した.
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