本研究は「書くこと」の学習前にある小学校5年生児童が,英語の文字をどれだけ書字できるのかを調査するとともに,児童の書字に基づいて,児童を類型化し,小学校5年生から実施される文字指導に示唆を得ることを目的とした。調査の結果,大文字においてはZ,Q,Y,C,E,Aの正答率が高く,D,K,Pには困難がみられた。小文字においてはa,s,o,cの正答率が高く,f,q,j,lの書字には困難が見られた。また,児童の書字に基づいたクラスター分析の結果,児童は5つのグループに分けられた。すでにほとんどの文字を正しく書ける児童の群がある一方で,小文字の形に関する知識,また四線の使い方について課題が見つかる児童の群が確認された。実際の文字指導においては,まずは文字の音についての知識を充実させ,特に小文字に慣れ親しませることが必要であることが示唆された。
抄録全体を表示