輸血後GVHDマウスモデル(parent→F
1)について,病理学的,免疫学的検討を加えた. BALB/C→CBF
1群では,著明なIgE上昇(Donor+Host由来IgE)が認められ,リンパ球表面抗原の解析では,胸腺内T細胞分化異常, CD4 T細胞の増加が認められた.病理学的所見では肝脾腫の増大が目立った.
C57BL/6→CBF
1群では,血清lgE上昇は軽度であったが,胸腺内CD4
+ CD8
+ T細胞の著明な減少,末梢血CD4/CD8比の低下を認めた.また,胸腺,肝,脾臓の萎縮が認められ, GVHDマウスの体重減少,生存率の低下が著明であった.以上のようにparent→F
1の組合せにおいても, Donorの系統によってGVHD病態,免疫異常の異なることが判明し,両方の実験系で血清IgE値の上昇を認めることよりIL-4が重要な働きを担っていることが推察された.
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