国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
地域で生活する高齢知的障害者のサービス利用に 関する事例調査報告
相馬 大祐村岡 美幸木下 大生森地 徹槻岡 正寛原田 みち子米本 哲也中島 穣高森 裕子早川 忠利松永 公隆
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2010 年 3 巻 p. 76-95

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抄録

本稿は、地域で生活する高齢知的障害者のサービス利用の実態と問題を明らかにすることを目的とする。本調査の結果、高齢知的障害者がサービスを利用する場合、①65歳間近になり、介護保険サービス、障害福祉サービスのどちらを利用するか検討している事例、②介護保険サービスを受給している事例、③障害福祉サービスを受給している事例、④介護保険サービス、障害福祉サービスを併給している事例が存在した。また、利用支援過程としては、利用意向の把握、支援者の判断、見立て、支援者の対応がそれぞれ行われていた。その結果から、高齢知的障害者に特化した問題として、要介護認定に関する問題、それに関する入所施設サービス新規利用の困難、高齢化に伴う身体的能力等の低下によるグループホーム・ケアホーム利用継続の困難、介護者の高齢化が考えられた。また、地域で生活する知的障害者に共通する問題として、入所調整における知的障害者更生相談所と市町村の連携や行政と相談支援事業所のパートナーシップなどが考えられた。

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© 2010 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

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