本研究は、NHKアーカイブス学術利用トライアル研究を利用した研究である。NHKに保存されたテレビ番組のうちで日本の湖沼の水利用と水環境に関する番組を選び、その内容から湖沼環境問題への焦点と変化の分析をおこなった。その結果は次のようにまとめられる。(1) 湖沼環境問題に関する番組は1969年から出現して、1970年代から1990年代にかけて増加し、2000年以降は減少した。(2) 番組に取り上げられた湖沼は琵琶湖が最も多く、次いで霞ケ浦だった。(3) 湖沼環境問題の内容は、1970年代は飲み水、1980年代は水質汚染、1990年代は湖沼環境保全や環境問題解決に関する内容が注目された。2000年以降は酸性雨や地球温暖化の影響など環境問題の多様化がみられた。これらにより、湖沼環境問題への一般的な関心には変化があるとわかった。
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