固体-流体間に反応を伴う場合の物質移動について, 空気と塩化第2銅・塩酸水溶液の気液上昇並流による金属銅の溶解反応を管径0.92cm, 2.8cmの垂直円管および直径と長さがともに0.5cmの円柱状粒子を充填した直径5.0cmの充填塔において検討した.
銅の溶解速度はCu
2+の液本体濃度に比例したことから, 液本体から拡散したCu
2+と銅は等モルで反応しており, Cu
2+の物質移動速度は銅の溶解速度で評価することができる. ここで, 種々のCu
2+とCrの各液本体濃度
CA∞,
CC∞において銅表面で生成するCu
+と界面近傍に存在するCl
-の反応に不可逆瞬間反応モデルを適用したところ, 銅の溶解速度は
CC∞÷
CA∞について二つの領域を示す1本の関係で相関できた.
CC∞/
CA∞≧23での溶解速度は
CC∞に関係なく
CA∞に比例し, また,
CC∞/
CA∞<23では,
CC∞に比例した.
銅の溶解速度および液本体と銅表面におけるCu
2+の濃度差で定義したCu
2+の物質移動係数は, 垂直円管では,
CC∞/
CA∞によらずに反応がない場合の既往の無次元相関により整理することができたが, 充填塔では,
CC∞/
CA∞≧23の条件下で, 反応がない場合の相関で整理された.
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