国語科教科書では小・中・高の校種を跨いで教科書に掲載されている漢詩があり,その場合は小学校よりも中学校,中学校よりも高校で,如何にして学習者により充実した学びを提供できるかが問われることとなる。その中で高校教科書の漢詩単元に掲載されている,訳詩・翻案詩の創作を取り入れた言語活動により充実した学びを実践する可能性を見いだした。この言語活動は 60 年以上も前から今日に至るまで教科書に掲載され続けているにも関わらず,先行実践の記録も,学習者の創作事例も残されていない。そのため,本稿では授業実践によって学習者の創作物を収集し,創作過程などについて学習者にインタビューを行うことによって,充実した学びを実践するための観点を得ることとした。教職課程科目を履修する大学生を対象とした訳詩創作の模擬授業とその後のインタビューを通じて,本単元を高校生対象として実践を行うにあたっての留意点を得ることができた。
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