中学校3年生では,イオンの学習をする。例年行っている授業後のアンケートには,「なぜ,H+やCu2+は陽イオンでCl−は陰イオンなんですか?」,「なぜ,H+は+が1つでCu2+は+が2つなんですか?」といった生徒の疑問が書かれている。これまでに,教科書や授業書などでさまざまなイオンモデルが提唱されてきたが,一般的に見られるモデルでは上記の疑問に応えることは難しい。本稿では,以前から使われているモデルの中から,電子の受け渡しを強調した凹凸のあるイオンモデルを活用することで,上記の生徒の疑問に応えるイオンの学習を試みた。
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