ネ 20は,日本初,世界でも最初期の実用ジェットエンジンであり,我が国の民間用を含むジェットエンジン開発の先駆けとなった.海軍航空技術廠は,ドイツから入手した限られた図面と見聞した情報を参考に,独自の研究成果に基づいたジェットエンジン(ネ 20)の設計,試作を行った.設計作業開始からわずか8カ月後の1945年8月7日には,ネ 20を搭載した橘花が高度600m,飛行時間12分間の初飛行に成功した.以上より,日本初の純国産ジェットエンジンと称するにふさわしく,航空宇宙技術遺産として認定する.
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