99mTcジェネレーターとして使用可能な,四塩化ジルコニウムとイソプロピルアルコールから合成されるM0吸着剤(以下PZCと略記する)のM0吸着能をさらに上げるため,PZC中の塩素原子を増加させた。その結果,PZCのMo吸着能は従来の200mgから250mg/9-PZC以上へと向上した。このMo吸着量は,PZC分子中で隣接する塩素原子数の割合に依存することから,PZCによるMoの吸着機構は,隣接する2個のZr-Cl結合とMoO
42-との化学反応による化学吸着であることが推定された。しかし,高Mo吸着量を示すPZCでは推定値以上のMo吸着量を示し,Moポリイオンの関与が無視できなかった。
99mTcジェネレーターの溶離試験として,1MBqから470MBqの99Moを含むMoを吸着させたPZCをガラスフィルター付きガラスカラムに充填し,
99mTcの溶離率を測定した。溶離率はいずれの場合も75-90%であり安定していた.470MBqの
99Moを吸着させた場合にも,
99Moの漏出の増加は観測されず,PZCは高放射能下でも分解されることがなく,安定であることがわかった。
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