「3.11 東日本大震災」は,今後の国土構造・産業構造の在るべき姿に対する考え方を激変させるだけのインパクトをもっていた。そして2 年が経過した現在,政権は替わり,TPP への交渉参加が決まり,日本銀行の新体制も発足した。これによって,我が国の金融政策を担う日本銀行のトップは福岡県大牟田市出身の黒田東彦総裁,一方,我が国の財政政策を担う財務省のトップは福岡県飯塚市出身の麻生太郎大臣ということで,世界第3 位の経済大国が長期にわたるデフレから脱却するための経済政策の舵を取る2 トップが,奇しくも,かつての日本の高度経済成長を牽引していた福岡県産炭地出身者という共通点があるのが興味深い。デフレからの脱却が達成されれば,九州・福岡から日本を元気にしたということになる。以下では,まず被災地に元気を与えた九州のボランティア力のケーススタディを振り返り,次に九州から日本を元気にする,つまり「攻める九州」を象徴する業種や主要輸出品目の動向を調査した。
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