インドネシア国内8島16ヵ所でイエバエを採集飼育し, 生きたまま日本へ輸送し, これら16の株の殺虫剤感受性を調べた。用いた殺虫剤は9種類で, ピレトリン, アレスリン, スミチオン (フェニトロチオン), マラサイオン, ダイアジノン, DDVP, バ1テックス, γ-BHCおよびDDTである。その結果, インドネシア産イエバエは日本産イエバエ (高槻系) に比較して, これらの殺虫剤に対し, 高い感受性を示した。とくにアンボン, セレベス, フローレス, バリ, チモール, ロンボクの諸島の系統が各種の殺虫剤に対して高い感受性を示した。しかし少数のものは, スミチオン耐性を持っており, これらは, ジャカルタの3カ所およびスマトラの1カ所の株にみられた。これらは日本の高槻系よりも大なるLD
50値を示した。なおγ-BHC, DDTなど塩素系殺虫剤に対しては日本産でエバエより著しく高い感受性がみられた。
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