サトウキビ頂頭部茎葉を培地としたヒメマツタケ(Agaricus blazei Murri.)栽培後の廃菌床(Agancus blazei Spent Compost:ASC)をナス(筑陽)の基肥として連用した.土壌に連用した場合の土壌の化学性に対する悪影響は見られず,むしろ,リン酸やカリの過剰が改善された.根の乾燥重量は著しく増大しており,樹勢の向上,果実成長の増大が観察された.果実の成分は,ミネラル,アミノ酸などの総量が増加していた.栽培中,樹勢は維持され,着花不良(成り疲れ)が見られず,その結果,3割ほど収穫期間が増大した.ASCは,他の木粉培地で栽培する食用きのこの廃培地とは異なり,堆肥化処理をせずに直接農地に還元でき,生産性と品質が向上することが示唆された.
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