全身性に皮疹を有するDLEとして入院, および外来通院加療中の27才男子および72才女子に, いずれも経過中に気管支炎の併発を認め, tetracyclineと同じ母核を有するminocyclineの短期間の投与がなされ, それまで認められなかつた発熱をはじめとする種々の全身症状の出現, 萎縮角化性紅斑より浮腫性紅斑への移行, 検査的にもLE細胞, LEテストの陽性化, 抗核抗体の出現を認めた。しかし尿所見はいずれも正常であつた。Minocycline内服の中止とともに全身性に合成グルココルチコイドの投与を行ない比較的短期間で発熱をはじめとする全身症状, 検査成績は改善された。Minocyclineが全身性に皮疹を有するDLEより種々の全身症状を有するSLEへと増悪させたものと考える。
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