CAIでの学習において,楽音や擬音を適切に発生させて学習を進めれば, さまざまな学習効果を期待することができると考える.小論は,そのような音の機能を有したCAIシステムの開発に関する報告と,その開発と試行から得られたいくつかの知見について述べたものである.ハードウェアとしてはパソコン1台を用い,コースウェアはBASICで記述される.また,コースウェアは小さなモジュールに分けられ,学習者の自由な選択が可能である.今回取り入れられた音の機能は,1) KR, 2)アニメーショソの補助,3)学習の場面の表現,4)非言語的・非画像的キュー,5)音によるシミューレションであり,これらを, 情意的機能と認知的機能とに分類し,両者の特徴についても述べた.またCAIでの音は,学習者の学習反応に即して発せられる点に特徴があることも述べた.本システムは,二つの小学校で試験的に利用されたが,そこから得られたいくつかの知見にも触れた.さらに楽音の利用の問題点として,不用意な「転調」の問題があることを,具体例を示して述べ,その解決の方法についても述べた.最後に,CAIに利用するパソコソに望まれる,音の機能について述べた.
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