本稿は,レイヤー構造を持つ製品のレイヤー参入戦略について論じる.具体的には,アプリ(ソフトウェア),コンテンツが利用可能という意味で広義のデジタル系ハードウェア製品を対象に,レイヤー構造の選択について議論する.
具体的には,(1)ハードウェア製品にはどのようなレイヤー構造があるか,(2)どのような要因がレイヤー構造の変化を促すか,(3)レイヤー構造をどのように決めるべきか,の3点について論じる.これら3点について議論することは,ハードウェア企業が自社製品のレイヤー構造を決める上での示唆を与える.
結論として,(1)ハードウェアにおけるレイヤー構造は,5つに分類しうること.(2)レイヤー構造の変化を促す要因は,各レイヤーに対して多様性が求められるためであること.(3)レイヤー構造の決定の際には,ハードウェアの「製品要因」,「OS要因」,「競争要因」の順に考慮すべきであると主張する.
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