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発行年: 1978年~1978年
論文タイトル: 断層運動
OR 論文タイトル: 断層変位地形
OR 論文タイトル: 有馬-高槻構造線中・東部地域
AND 著者名: 寒川
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 寒川
    地理学評論
    1978年 51 巻 10 号 760-775
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    近畿三角帯の北西辺に沿う地質境界である有馬-高槻構造線のうちで,中・東部地域(大阪平野の北縁に沿う)について,断層変位地形を検証し,断層運動に関する考察を行なった.この地域の活断層は東西,または東北東-西南西の走向をもち,断層変位地形の相違から次の3つのタイプに分けることができる. 1) 段丘面・段丘崖を垂直・水平方向に変位させる. 2) 段丘面を切る細長い低地帯を形成する. 3) 山地内を走り山地内の河谷を右ずれ変位させる.
    段丘面・段丘崖の変位量と形成年代の推定値より各断層の平均変位速度を求めた. 1) について,垂直方向に0.06~0.2m/103年,右ずれ方向に0.5~1.5m/103年, 2) について垂直方向に最大0.8m/103年の値が得られた.これらの活断層は,六甲山地の活断層とともに,西に開く細長いクサビ状の分布を示す一連の活断層系をなしている.そして,これらは第四紀後半の東西圧縮に対応していると考えて矛盾のない運動様式を示している.
    東西性の地質境界に沿う活断層という共通点をもつ紀伊半島中・西部の中央構造線活断層系と比較を試みた.垂直・右ずれ変位とも中央構造線活断層系の平均変位速度が約2倍ほど大きい値を示し,活断層系の分布パターンは,調査地域の3)と類似している.
  • 岡田 篤正,
    寒川
    地理学評論
    1978年 51 巻 5 号 385-405
    発行日: 1978/05/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    和泉山脈南麓域の地形・地質調査を行ない,中央構造線沿いの断層変位地形を検証した.さらに,それらを作りだした主として第四紀以降における断層運動の諸性格について考察した.中央構造線にほぼ平行ないし一部で雁行状に配列する活断層系があり,それは少なくとも第四紀後期において右ずれ運動が卓越している.また,それは内帯(北側)の和泉山脈側が概して隆起する垂直変位成分(右ずれ成分の約1/10)を有している.とくに,根来断層と五条谷断層が延長距離の長い活断層であるが,前者は各種の段丘面を切断し,後者は山麓南斜面を縦断して大小の右ずれ変位河谷を形成している.
    根来断層の右ずれ変位速度は,断層の変位基準である段丘面や段丘崖・河谷や尾根筋の食い違い量とそれらの形成年代の想定から, 0.9~3.1m/103年,北側の相対的隆起速度は0.11~0.40m/103年と推算された.根来断層と五条谷断層について,活断層より上流の河谷長と河谷の屈曲量との関係式を求めると,両者の間には正の相関がある.これは右ずれの断層変位が累進的に継続していること,さらにA級の活断層の範疇に入ることを示唆するが,四国の中央構造線で求められた値より小さい.このことは中央構造線活断層系の東端部であり,東方に変位量が減少していくこと,同時に内帯側の他の多くの活断層にひずみが分散していることなどによるものであろう.
    いわゆる菖蒲谷時階の変動として知られてきた北からの逆断層は,第四紀前期における活動であり,これは紀ノ川断層角盆地の発生をうながしたが,第四紀後期にはほとんど変位を停止している.この断層の北側にほぼ並走して高角度の活断層系があり,右ずれの卓越した運動が第四紀後期の少なくとも50万年前以降に認められる.このように,断層の位置と変位様式に大きな変化が第四紀中頃に生じたことが判明した.
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