日本国際看護学会誌
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Print ISSN : 2434-1444
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クエリ検索: 在留ブラジル人の母親における子どもの事故防止に関する認識と行動
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  • 柴 邦代
    日本国際看護学会誌
    2024年 7 巻 2 号 21-30
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/30
    [早期公開] 公開日: 2024/02/02
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    目的

    在留ブラジル人の母親 ( 以下 、 母親と記す ) における育児や事故防止に関する情報の入手先 、 および 、 子ども の事故防止に関する母親の認識と行動を明らかにする 。

    方法

    A 県内の保育所に通う未就学の 0 〜 6 歳児をもつ母親 358 名にポルトガル語版の無記名自記式質問紙調査を行 った 。

    結果

    母親の事故防止に関する情報の入手先は 、 家族 65.2% 、 ブラジル人の友人・知人 58.4% 、 広報誌 50.6% 、 SNS39.3% 、 保育園 37.1% であったが 、 医療者と TV( ブラジル ) は 30% 未満であった 。 育児情報の主な入手先 も 、 家族が 86.5% 、 ブラジル人の友人・知人は 65.2% であった 。 インターネット上の事故防止に関する Web サ イトの情報は 58.4% の母親が認知していたが 、 母子健康手帳や育児雑誌・育児書の情報認知は 28% であった 。

    95% 以上の母親が 、 子どもは未熟なので事故を起こしやすく 、 子どもを事故から守るのは親の責任であり 、 子ど もには危険から身を守る方法を教える必要があると認識していた 。 また 、 83% の母親が子どもの事故は親が気を つけても予防しきれないと考えていたが 、 11 項目中 7 項目の子どもの事故防止に関する行動を 90% 以上の母親 が実行していた 。 実行群が 80% 未満の行動は 、 階段に入れないように上下に柵を設置している 、 ベッドやソファ 等に寝かせた時転落しないように柵やクッションでガードしている 、 風呂場に必ず施錠し浴槽に残し湯をしない ようにしている 、 ドアと壁の隙間に子どもが指をはさまないように対策しているであった 。

    考察

    母親の事故防止情報の入手先は育児情報と同様に主に家族やブラジル人の友人・知人であり 、 母親への情報提 供では母国語でのアクセスのしやすさが重要であることが明らかになった 。 また 、 紙媒体より SNS の情報が入 手され 、 インターネット上の Web サイトにある情報の認知度が高かったことから 、 オンラインでの情報提供の 方が有効であることが示唆された 。 事故防止に関する情報は育児情報に比べて家族や友人・知人からの入手が少 なかったことから 、 事故防止に関する情報の入手は制約されている可能性が示唆された 。

    結論

    在留ブラジル人の母親は事故防止に関する良好な認識を持ち 、 ほとんど母親が事故防止行動を実行しているこ とが明らかになった 。 ごく少数の母親は 、 事故防止に関する知識や情報入手が不足している可能性があるため 、 知識や情報を提供する必要がある 。

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