1968 年 17 巻 7 号 p. 810-815
原子吸光分析による血清および血球中亜鉛の定量における諸条件の検討を行なった.
血清および血球とも精製水による希釈だけでは,たん白変性をきたした試料でフレームのゆらぎがあり,除たん白して測定した.本法による回収率は血清で99%,血球で96%であり,入院患者50人の血清および血球中亜鉛濃度分布は,血清において81~100μg/100ml,血球において1201~1400μg/100mlが多数みられた.定量下限は1%吸光率を与える溶液の濃度として0.02ppmであった.