分析化学
Print ISSN : 0525-1931
鋼中リン自動吸光光度分析法
鉄鋼化学分析法の自動化の研究(第5報)
小野 昭紘田口 勇松本 龍太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 23 巻 8 号 p. 923-931

詳細
抄録

試料溶液を加熱循環しながら発色反応を行なわせ,から試験および発色吸光度を連続的に測定することを基本原理とする自動吸光光度分析装置を用いて,鋼中リン分析の自動化を検討した.すなわち,モリブデン青吸光光度分析法を基本として,自動分析化のための定量基礎条件を詳細に検討し,自動操作プログラムを定めて鋼中リンの自動分析法を開発した.本法によれば,鉄鋼試料を溶液化して試料交換器上に並べたあとは,順次にすべて自動的に操作される.鋼中の0.0005~0.1%のリンを1試料6分間で分析でき,分析結果は高精度で標準値とよく一致した.また,多量のクロムを含む場合は塩化クロミルとして揮散除去すれば,共存元素の影響はほとんど認められなかった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top