分析化学
Print ISSN : 0525-1931
コンピューターデータ処理自動吸光光度分析装置による鉄鋼中微量リンの高精度定量
白取 久仁雄白田 典夫田中 昭男妹尾 健吾
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1988 年 37 巻 11 号 p. T138-T141

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抄録

モリブデン青吸光光度法を基本とした鋼中リン自動吸光光度分析装置の吸光度測定条件の最適化検討を行った.更に吸光度の経時変化に対するドリフト補正,最小二乗法による一次,二次の検量線処理並びにGrubbs,Dixon検定による異常値の棄却機能を有するデータ処理装置を開発して付加した.本システムによれば,鉄鋼試料を溶液化した後は,順次自動的に分析される.鋼中の0.0001~0.1%のリンを1試料6分以内でしかも40 ppm 以下の微量域でも抽出,濃縮などの前操作なしで分析できる.リン含有率2及び11ppmの日本鉄鋼標準試料において分析した結果は標準値とよく一致し,相対標準偏差はそれぞれ,8.9%及び2.3%と高精度であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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