日本化学療法学会雑誌
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2003年以降に分離された各種臨床分離株に対するtosunoxacinの抗菌活性
佐藤 弓枝松崎 薫村岡 宏江雑賀 威長谷川 美幸小林 寅哲
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2005 年 53 巻 6 号 p. 364-370

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抄録

主に2003年から2004年の期間に国内の感染症患者より分離された各種病原微生物のtosufloxacin (TFLX) を含むnuoroquinolone系抗菌薬に対する薬剤感受性を測定した。
Penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae を含む Streptococcus spp. に対しTFLXは測定抗菌薬中最も高い抗菌活性を示した。また Moraxella (Branhamella) catarrhalis に対して検討した抗菌薬は強い抗菌力を示した。 Haemophilus influenzae は1株を除きfluoroquinolone 系抗菌薬に感性であった。呼吸器感染症の主要病原菌に対して, TFLXは強い抗菌力を示した。Legionella pneumophila に対しTFLXは測定薬剤中最も抗菌力が強く, Mycoplasma pneumoniae および Chlamydia spp. に対しTFLXはgatmoxacin (GFLX) に次いで高い活性を示した。
以上の結果から, TFLXは感染症患者より近年に分離された新鮮臨床分離株全般に対して優れた抗菌力を示し, 各種感染症の治療抗菌薬として有用と考えられた。

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