コンクリート工学
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粗骨材コッターと膨張コンクリートを用いた無アンカー耐震補強壁
丸田 誠閑田 徹志久保田 淳二村 有則
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2006 年 44 巻 10 号 p. 17-26

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抄録

従来の耐震補強用増設耐震壁では, あと施工アンカーを周辺骨組に打設した後に壁を増設するのが一般的である。その際, 多数のあと施工アンカーを打設するときに発生する騒音のため「居ながら施工」を阻害している。そこで, あと施工アンカーの代わりに粗骨材コッターと膨張コンクリートを用い, 施工時騒音が少ない新たな耐震補強壁を開発した。この11法は, 粗骨材を周辺骨組に接着し, 増設壁と周辺骨組とのせん断力伝達を行う方法である。増設壁のコンクリートはコンクリートの収縮による粗骨材コッターとの肌分かれを防止するために膨張コンクリートを用いた。この工法では無開口や増打ち壁とともにドア開口を有する蟹にっいても, 構造実験およびその弾塑性FEM解析によるシミュレーションにより, 構造性能を確認した。また, 実験未実施の因弄に関しても解析でその構造性能を確認した。実際の施工に先立ち, 粗骨材の貼り付けに関する膨張コンクリートの調合や品質管理方法等も規定した。施工方法も含めて本工法の概要を報告する。

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