抄録
関節リウマチ(以下RA)は, 関節滑膜を病変の主座とし, 関節破壊, 関節変形をきたす原因不明の炎症性疾患である. その病態にはTNFα, IL-1, IL-6などの炎症性サイトカインが深く関与することが明らかとなった. これらの炎症性サイトカインの生物活性を抑制・制御する抗サイトカイン療法が開発され, 臨床現場に導入された. その画期的効果が報告され, 注目されている. キメラ型抗TNFαモノクローナル抗体(infliximab), 完全ヒト型抗TNFαモノクローナル抗体(adalimumab), 可溶性TNFレセプターとIgG-Fcとの融合蛋白(etanercept), IL-1 ra(anakinra)の4製剤が米国で承認され, 多くのRA患者に使用されている. また, 抗IL-6レセプターモノクローナル抗体は日本, 欧州において治験がはじまっている. これらの生物学的製剤は, これまでの抗リウマチ薬にない特徴を有しており, それに対する十分な知識と, 疾患活動性の評価がリウマチ専門医に求められている.