抄録
全国の内視鏡学会指導医にアンケート用紙を発送し,内視鏡検査後に発生したAGMLの実態を調査した.172施設より420例が報告されたが,詳細が判明した307例について解析した.なお発生頻度は0.02%であった.好発年齢は30~50歳代で最も多いのは40歳代であった.男女比は約7対3であった.主症状は心窩部痛,嘔気・嘔吐,出血であり,心窩部痛が90.3%を占めた.前回内視鏡より発症までの期間は平均5.8±2.9日であり,前回内視鏡では前庭部に病変を認めたものが多かったが,155例(51.3%)は全く所見を認めなかった.病変を急性潰瘍(あるいはulcero-erosion)型とびらん型に分けると243例は前者64例が後者であった.病変の部位では幽門前庭部に最も多く,前者の97.5%,後者の85.9%を占めていた.