日本消化器内視鏡学会雑誌
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長期にわたり上部消化管出血を反復した十二指腸巨大憩室の1例
海野 潤吉村 ともえ藤井 絵理子清水 健吾横山 喜恵荒井 咲子奥山 尚林田 憲正清水 利夫田所 昌夫
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1997 年 39 巻 7 号 p. 1244-1248

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抄録

 症例は77歳女性.以前から原因不明の上部消化管出血を反復し,今回も吐下血にて入院となった.下血が続くため上部消化管内視鏡検査を繰り返し行ったところ,十二指腸水平脚の巨大憩室内の露出血管から出血していることが確認された.エタノール局注にて―時止血されたが再出血したため,開腹し同血管を縫縮し止血した.本邦ではこれまでに44例の十二指腸憩室出血例が報告されており,なかには自験例同様,長期間出血を反復しながら診断が困難であった女性症例が散見される.これらは十二指腸遠位部に憩室を有していることが多かったが,水平脚部の憩室はパンエンドスコピーでも診断可能であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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