2008 年 50 巻 5 号 p. 1311-1318
症例は73歳女性.主訴は下痢,血便.大腸内視鏡検査にて直腸からS状結腸に白苔様付着物のある多発性広基性ポリープを認めた.生検で表面に炎症性肉芽組織などの所見を認めcap polyposisと診断した.predonisolone注腸を1日40mgから開始し,約10カ月の期間をかけて漸減中止した.治療終了後18カ月の現在まで再燃を認めていない.生検検体のhigh iron diamine-alcian blue染色(HID-AB染色)では有症状時シアロムチンが優位であったが,緩解時にはスルボムチンが出現しており,HID-AB染色は病勢の判定に有用と思われた.