抄録
キンギョソウ切り花をSTSまたは塩化カルシウムで前処理し,生け水の種類を変えて品質保持期間を比較した.水に生けた場合,前処理なしの切り花では花穂の折れが発生したが,1%CaCl2で16時間前処理すると発生しなかった.STS前処理は小花の萎凋を遅らせたが,カルシウム処理のみでは小花の萎凋は防げなかった.カルシウム処理により花穂が伸長し上部の小花まで開花した.カルシウムSTS処理した切り花を5%グルコースと殺菌剤を含んだ溶液に生けると,小花および花穂がよく発達し,切り花の品質保持効果が著しく高まった.