目的 : 吸収性ポリグリコール酸 (PGA) フェルトとフィブリン糊の擦り込みスプレー法を併用した新しい肺瘻閉鎖法の有効性を検討した. 方法 : 術中の水封試験で空気漏れを認めた肺切除症例266例を対象に, フィブリン接着剤を用いた3種類の肺瘻閉鎖法 (PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法65例, 擦り込みスプレー法174例, タココンブ®法27例) を比較検討した. 結果 : PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法は, 他の2法に比較して, 術後の空気漏れの消失期間は有意に短く, 評価判定スコアーの平均値も有意に高値であった. また術後肺瘻閉鎖率は全ての時間帯において高値を維持した. 結論 : PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法は良く肺組織に浸透し, 強い接着力を有し, 使用法も簡便で, 胸腔鏡下手術でも容易に利用でき, 最も有用な肺瘻閉鎖法であると思われる.