日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
呼吸器外科手術における新しい肺瘻閉鎖法の臨床的検討
―PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法―
徳島 武福田 幹久前田 啓之目次 裕之荒木 邦夫藤岡 真治中井 勲
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2005 年 19 巻 7 号 p. 798-804

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抄録

目的 : 吸収性ポリグリコール酸 (PGA) フェルトとフィブリン糊の擦り込みスプレー法を併用した新しい肺瘻閉鎖法の有効性を検討した. 方法 : 術中の水封試験で空気漏れを認めた肺切除症例266例を対象に, フィブリン接着剤を用いた3種類の肺瘻閉鎖法 (PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法65例, 擦り込みスプレー法174例, タココンブ®法27例) を比較検討した. 結果 : PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法は, 他の2法に比較して, 術後の空気漏れの消失期間は有意に短く, 評価判定スコアーの平均値も有意に高値であった. また術後肺瘻閉鎖率は全ての時間帯において高値を維持した. 結論 : PGAフェルトと擦り込みスプレー併用法は良く肺組織に浸透し, 強い接着力を有し, 使用法も簡便で, 胸腔鏡下手術でも容易に利用でき, 最も有用な肺瘻閉鎖法であると思われる.

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© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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