日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
術前診断が困難であった横行結腸平滑筋肉腫肺転移の1例
中島 尊新居 和人岡本 卓
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2010 年 24 巻 4 号 p. 691-694

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抄録

症例は76歳,女性.2003年大腸平滑筋肉腫にて横行結腸切除術を施行された.2007年肝転移にて拡大肝右葉切除術が施行され外来通院中であった.2008年8月のCTで右肺S8に結節影を指摘され,気管支鏡下肺生検を行ったが確定診断に至らなかった.FDG-PET検査では右肺S1,S6にも結節が指摘されたがいずれもFDGの集積を認めず,右肺S8の結節はSUVmax 3.2で原発性肺癌が疑われた.2009年11月手術施行,まず右肺S1,S6の結節を部分切除した.迅速病理検査で,大腸平滑筋肉腫肺転移と診断された.右肺S8の結節は部分・区域切除が困難で,右肺下葉切除を行った.術後病理診断は,3病変いずれも大腸平滑筋肉腫肺転移であった.

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