日本看護科学会誌
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研究報告
血液透析患者の特性・信念およびセルフケアとの関連
武内 奈緒子村嶋 幸代
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2008 年 28 巻 4 号 p. 4_37-4_45

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抄録

透析患者の信念を健康統制所在(JHLC)および不合理な信念(JIBT)で測定し,特性およびセルフケアとの関連を明らかにした.228名の透析患者を対象に質問紙調査を実施し,「生活」と「食事」を下位尺度とするセルフケア尺度を開発の上,対象者の特性・信念との関連を統計的に分析した.その結果,セルフケア度の得点は,服薬に関する項目が最も高く,適度な運動の実施に関する項目が最も低かった.セルフケア度の「生活」と外的HLCに相当するJHLCの下位尺度「家族」・「運」・「専門職」との関連では,外的HLCが高いほど「生活」の得点が高かった.セルフケア度の「食事」とJHLC・JIBTには関連がなかった.以上,事例で示されることが多い透析患者の信念とセルフケアとの関連を量的に検討したことにより,患者がうまくセルフケアの「生活」を行えていない場合には,「家族」への働きかけ,「専門職」からの働きかけなどが有効である可能性が考えられた.

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© 2008 公益社団法人 日本看護科学学会
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