日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
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最新号
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総説
  • 田中 由美子
    原稿種別: 総説
    2018 年 38 巻 p. 1-8
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/25
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    目的:看護職の職場文化の概念分析を行い,職場の文化を作り出す要因を明らかにする.

    方法:5つのデータベースを用いて収集した27文献を,Rodgersの概念分析方に基づいて分析した.

    結果:【共有している判断の基準】【管理者の管理方針】【メンバーに共通している態度】【職場の特徴】の4つの属性及び,2つの先行要件,5つの帰結が抽出された.

    結論:看護職の職場文化は職場管理者の管理方針と職場のメンバーが共有している判断基準や態度が重要な形成要因であった.

  • 井沢 知子, 荒尾 晴恵
    原稿種別: 総説
    2018 年 38 巻 p. 169-175
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:がん治療後のリンパ浮腫患者における複合的治療のアドヒアランスの概念分析を行う

    方法:WalkerとAvantの手法で,医学領域,看護学領域,理学療法学領域,心理学領域の4領域から文献検索し50論文を抽出した.

    結果:属性に【精神的に安定している状態】【リンパ浮腫や複合的治療についての理解】【主体性】【実施方法やスキルの工夫】【複合的治療の実行・評価】【リンパ浮腫を自己管理できるという自己効力感】【医療者からの学習の促し】【医療者とのパートナーシップ】,先行要件に【慢性的な苦痛症状】【長期管理の必要性】【複合的治療の自己管理を余儀なくされる】,帰結に【リンパ浮腫の症状】や【QOL】の改善が抽出された.

    結論:概念を「精神的に安定した状態でリンパ浮腫や複合的治療について理解し,主体的に複合的治療のスキルを工夫して実行することであり,患者の自己効力感が影響する.これらは医療者からの学習の促しと,患者と医療者との間に築かれたパートナーシップを通して実現される」と定義した.

原著
  • 松田 佳子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 9-17
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:『親になる移行期の父親らしさ』尺度を作成し,その信頼性・妥当性を検証することである.

    方法:尺度の開発は,先行文献から37項目を抽出し,内容妥当性と表面妥当性を検討した.本調査は,2016年1月~3月の期間に近畿圏6か所の病院で出産した妻の夫372名へ質問紙調査を実施し,データの項目分析および尺度の信頼性と妥当性を検討した.

    結果:検討の結果,21項目3因子の尺度を完成した.尺度のクロンバックα係数は.908と高い信頼係数であり,再テスト法では級内相関係数がr = .846(P < .01)と強い関連を認めた.また既存グループ法において,子ども数が1人と複数の夫との間(P = .00)と,立ち会い出産が初めてと複数回の夫との間(P = .03)に有意差を認めた.因子分析により抽出された3因子は,「子どもの存在から沸き立つ思い」「父親意識の高まり」「妻への思い」であった.

    結論:本尺度は3つの因子から構成され,信頼性と妥当性が確認された.

  • 杉本 千恵, 笠原 聡子, 岡 耕平
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 18-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:看護学生のレジリエンスの学年による違いとソーシャルサポートとの関連を検討した.

    方法:看護専門学校1から3年生246名に対し自記式質問紙調査を実施した.項目は属性,二次元レジリエンス要因尺度(BRS),ソーシャルサポートとし,一元配置分散分析と重回帰分析を行った.

    結果:BRS資質的要因の統御力(F2,227 = 3.2, P = 0.042)は1年生より3年生で,獲得的要因では問題解決志向(F2,227 = 6.2, P = 0.002)と自己理解(F2,227 = 7.3, P < 0.001)が2・3年生で高く,他者心理の理解は差がなかった.自己理解には学校生活に関わる実習教員(β = 0.22)などのサポートが,他者心理の理解には恋人(β = 0.21)など学外他者が影響した.

    結論:自己理解,問題解決志向,統御力のレジリエンスが高学年で高く,その育成には学校内外の他者によるサポートが関与した.

  • 武藤 雅子, 前田 ひとみ
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 27-36
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:新人看護師(以下,新人)のリフレクション支援を目指したプリセプター育成プログラム(以下,プログラム)の有効性を検討する.

    方法:【研究デザイン】単一対象への介入研究.【対象者と対象者数】A大学病院のプリセプター76名.【分析方法】リフレクション支援4回の自己評価を比較した.2組のリフレクション支援場面について,問いかけのタイプと新人の発語を数量的に分析した.

    結果:プリセプターの自己評価は,支援スキルの「発言を待つ」等20項目中14項目,支援態度の変化の「自己の傾向に気づく」等3項目で,3回目以降が有意に高かった(P < .05).2組の支援場面では,継続的な支援によって,プリセプターAは「追及型」から「確認型」が増え,プリセプターBは「確認型」から「引き出し型」が増え,それぞれ新人の考えを引き出すような問いかけができるように変化していた.

    結論:プリセプターの支援の変化から本プログラムは,新人の臨床体験のリフレクションを支援できるプリセプター育成に有効であることが示唆された.

  • 勝又 里織
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 37-45
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/02
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    目的:本研究は,人工妊娠中絶の看護において共通する行動パターンやルールを記述することを目的とした.

    方法:エスノグラフィーを用いた.一産婦人科診療所での約1年間の参加観察によるフィールドノーツと,15名の看護師へのインタビューからデータを収集し,初期中絶時の看護に共通する行動パターンとルールを分析し,記述した.

    結果:〈女性自身の迷いを感じる〉,〈周囲からの圧力を疑う〉,〈女性の判断能力を危ぶむ〉場合は,【女性の意思決定を疑う】.そうでない限り,看護師は『関わらない看護』をする.『関わらない看護』は,【滞りなく進める】ことおよび【嫌な思いをさせない】ことが共通する行動パターンとなっていた.看護師は,〈予定通りに〉,〈事務的に進め〉,女性と〈距離をおく〉,〈責めない〉,〈傷つけない〉,〈立ち入らない〉,〈深入りしない〉,〈人目を避ける〉,〈身体の不快や苦痛を感じ取る〉といった看護を提供していた.

  • 三木 佳子, 前川 厚子, 法橋 尚宏
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 46-55
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/02
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    目的:炎症性腸疾患(IBD)患者の主観的セクシュアルウェルビーイング(SSWB)の構成と特徴を明らかにすることを目的とした.

    方法:自記式質問紙調査を行い,性的に幸福で満足できる状態に対する88名の自由回答をテキストマイニングで分析し,係り受けのカテゴリ化,頻度分析と特徴分析を行った.

    結果:SSWBは7カテゴリで構成されていた.【精神的安定】と【身体的健康】はIBDに特有なSSWBであった.男性は【性的欲求の満足】,女性は【相互の思いやり】,20~39歳は【精神的安定】,40~59歳の男性は【性的満足の欲求】が特徴的にみられた.主観的体調や主観的関係がよい男性は【性的欲求の満足】,クローン病やストーマがある女性は【スキンシップの充実】が特徴的であった.

    結論:SSWBの構成と特徴は,IBDの症状の影響を受けていた.これらの結果は,話題の導入,当事者のSSWBを反映した支援目標の設定,到達度の評価に活用できる.

  • 那須 明美, 松本 啓子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 64-71
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/12
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    目的:がんリハビリテーション(以下,がんリハ)をとりまく専門職連携(Interprofessional Work:以下,IPW)の現状において,理学療法士,作業療法士及び言語聴覚士(以下,セラピスト)の側面から,看護師との協働に関する思いを明らかにすること.

    方法:がんリハにおいて看護師との協働の実践経験を有するセラピストを対象に半構成的面接を実施した.語りは逐語録に起こしデータ化した後,コード化し抽象度を順次上げ,カテゴリー化を行う質的因子探索的分析とした.

    結果:がんリハにおける看護師とセラピストとの協働に関する思いから,両職種は【看護師の情報支援と意見提案関係】にある現状であった.【両職種の専門性の追求】を踏まえ,両職種間の【IPW推進による質向上の希求】をがんリハの実践の中で,重要視している思いが明らかとなった.

    結論:がん患者のその人らしさへの看護を実践する上で,がんリハへの理解を深化させ,看護実践能力の向上とIPWのコンピテンシーの更なる育成が今後の課題である.

  • 三尾 亜喜代, 佐藤 美紀, 小松 万喜子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 72-81
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/20
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    目的:不妊治療を終結した女性が子どものいない人生を受け容れ,自分らしい生き方を見出す過程の多様な径路と多様な径路を辿る影響要因を明らかにし,求められる看護支援を検討する.

    方法:子どもを得ず治療を終結した女性14名に面接調査を行った.分析手法は,複線径路・等至性モデル(TEM)を用いた.

    結果:治療終結直後は,解放感・喪失感のアンビバレントな感情に揺れる.その後,子どもを諦めてよいかの葛藤を経て子どもを諦める.治療に取り組んだ人生を振り返りながら生き方を模索し,治療体験を肯定的に意味づけ,社会通念に囚われず子どものいない人生を前向きに捉えることにより,自分らしい生き方を見出す.この過程には,自信の回復,重要他者の承認や安定した関係性,ピアの存在,価値観の転換などが影響していた.

    結論:夫婦ともに納得のいく受療と終結の支援,葛藤や治療体験の意味づけが続くことを理解した情報提供やモデル提示の必要性が示唆された.

  • 根木 香代子, 片山 はるみ
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 89-96
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/03
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    目的:本研究の目的は,女性中堅看護師のレジリエンスに対する自尊感情と自己効力感の影響を検証することである.

    方法:中堅看護師1,551名に対して自記式無記名式質問紙調査を行った.質問紙は基本属性,ローゼンバーグ自尊感情尺度日本語版,特性的自己効力感尺度,「新奇性追求」「感情調整」「肯定的な未来志向」の3因子から成る精神的回復力尺度から構成した.パス解析により仮説モデルを検証した.

    結果:684の有効回答(44.1%)を得た.パス係数は,自己効力感から「新奇性追求」に対して0.44「肯定的な未来志向」に対して0.26また自尊感情から「肯定的な未来志向」に対して0.34であった(全てp < 0.001).適合度は良好であった(GFI = 1.00, AGF = 0.996, CFI = 1.00, RMSEA < 0.001).

    結論:女性中堅看護師において自尊感情と自己効力感はレジリエンスに影響を与えている可能性が検証された.

  • 成瀬 早苗, 加藤 真由美
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 97-106
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/03
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    目的:要支援高齢者の一人暮らし生活意欲測定尺度を開発し,信頼性・妥当性を検討すること.

    方法:意欲概念や高齢者支援の専門職の意見等を基に尺度原案を作成し,一人暮らし要支援高齢者に77項目5段階のリッカート法にて自己記入式無記名質問紙調査を行い,218名を分析対象とした.

    結果:最尤法プロマックス回転にて因子分析を行った結果,4因子14項目の因子解が抽出され,〈人生を楽しめる力〉〈精神的適応力〉〈生活の活力〉〈一人暮らしを受け入れ味わう力〉と命名した.信頼性・妥当性を確認した結果,尺度全体のクロンバックα係数.850,再検査信頼係数.762,基準関連妥当性.726,モデル適合度は,GFI = .901,AGFI = .853であった.

    結論:本尺度は,統計学的に信頼性・妥当性は許容範囲である尺度であると示唆され,要支援高齢者本人や支援者が簡便に使用でき生活意欲の程度を知る指標として活用できる.

  • 松永 妃都美
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 107-114
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/03
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    目的:本研究では福島第一原子力発電所の事故を契機とした母子避難を継続する母親を支えている避難先地域の資源や人々との関わりを取り上げ,そのプロセスを明らかにする.

    方法:母子避難を継続する母親12名を研究協力者として,半構造化面接で得たデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した.

    結果:母子避難を継続する母親は【被災者として(避難先)地域に馴染み】ながら,避難生活の中で【健康影響リスク回避の実感】をし,避難先地域の人々との【心地よい人間関係を構築】することができていた.このことが【母子避難という選択への納得】に繋がり,母子避難が継続されていた.

    結論:母子避難を継続する母親への看護援助には,母親との放射線被ばくリスクコミュニケーションを行うこと,また避難先地域に馴染むことや人間関係の構築を支援すること,そして母子避難という選択への納得を支持する関わりが重要であることが示唆された.

  • 岩瀨 和恵
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 115-123
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:介護老人福祉施設に勤務する看護師が高齢者の死の約1か月前に察知した症状や変化を明らかにすることを目的とした.

    方法:Miles, Huberman, and Saldañaの分析方法を参考にし,20名の看護師に半構造化面接法を用いてインタビューを行った.同意が得られた施設では同行観察を行った.

    結果:20名全員が約1か月前に,高齢者の死を察知した経験を持っていた.その症状や変化は,【高齢者が訴える死の恐怖】,【意欲の減弱】,【食事摂取機能の低下】,【形相の変化】,【眼の変化】,【声の変容】,【他覚症状の出現】,【活動性の低下】,【体重減少】が抽出された.これらは,さらに上位の概念である主要カテゴリー『精神心理面の変化』と『身体機能面の変化』に大別された.

    結論:看護師は約1か月前に高齢者の死を症状や変化で察知していた.必ずしもすべての症状や変化が1人の高齢者に出現するわけではないが,看護師が高齢者の死を察知し,十分な時間の中で看取りを行えることが示唆された.

  • 内田 史江, 谷垣 靜子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 124-132
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:在宅療養がん患者のターミナル期の訪問看護支援に影響を及ぼす要因の関連性を明らかにする.

    方法:訪問看護師を対象に無記名自記式による質問紙調査を実施した.因子分析により得点化したターミナル期の訪問看護支援(22項目,α = 0.96)に影響を及ぼす要因のパスモデルを作成した.

    結果:解析対象者は750名であった.ターミナル期の訪問看護支援には,FATCOD-B-Jを介して,[理念に基づいた行動][組織運営に関する発言の機会][在宅医との協力関係][仕事への意欲][訪問看護師経験年数]が影響を及ぼすモデル(X2 = 3.06, p = 0.82, GFI = 0.999, AGFI = 0.994, RMSEA = 0.000)が示された.

    結論:在宅療養がん患者のターミナル期の訪問看護支援を促進するには,組織理念に基づき,チーム力を高め,組織にコミットメントできるように取り組む必要性が示唆された.

  • 吉岡 さおり, 片山 はるみ
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 133-141
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:病棟看護師を対象に面接調査を実施し,終末期がん患者の在宅療養移行支援における看護師の役割の認識を分析することを目的とした.

    方法:がん診療連携拠点病院において,終末期がん看護を実践する看護師を対象に半構造化面接を実施し,得られたデータを質的帰納的に分析した.

    結果:対象者は臨床経験年数3~7年の看護師6名であった.分析の結果,終末期がん患者の在宅療養移行支援における役割の認識として,16のカテゴリ,34のサブカテゴリが得られ,カテゴリの特徴から《患者と家族を中心に見据えた看護実践》《関連職種連携力の発揮》《自己の立場を自覚した行動》《役割開発への取り組み》の4つに分類することができた.

    結論:終末期がん患者の在宅療養移行支援において病棟看護師は,自己の立場を意識した積極的支援と関連職種連携を重視し,自己の課題を内省して役割を獲得していくことも視野にあることが示唆された.これらの役割の認識と具体的な行動との関連,移行支援に関連する要因について検討していくことが今後の課題である.

  • 土肥 眞奈, 深堀 浩樹, 大山 裕美子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 142-150
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:経皮的冠動脈形成術後急性冠症候群患者の適応過程である刺激,反応,退院後の精神的健康を記述すること.

    方法:発症・術後1か月以上経過した患者10名を対象に半構造化面接を実施し内容分析を行った.ロイの適応モデルに基づき患者の意識が最も注がれる焦点刺激を発症,治療,退院と定義し,刺激がもたらす反応,精神的健康,関連・残存刺激を記述した.

    結果:関連・残存刺激として【心臓疾患に対し恐怖心をもっていた】等9カテゴリー,反応として【退院後も胸部症状があった】【無理はできなくなったという認識になった】等22カテゴリー,精神的健康として【再発の心配がある】【胸部症状の出現がトラウマとなっている】等6カテゴリーが得られた.

    結論:精神的健康が低下する患者の存在が示唆され,対応として退院後にかけてのリスクの高い者のスクリーニングや発症経験の振り返り,胸部症状出現時の対応方法の教授が有効な可能性が示唆された.

  • 山岡 愛, 吾妻 知美
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 151-159
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:医療的ケアを継続しながら在宅療養へ移行した先天異常のある子どもの母親の経験や思いから,母親のレジリエンスの一端を明らかにする.

    方法:在宅療養中の先天異常のある子どもの母親7人に感情浮沈図を用いて半構造化面接を行った.データは内容分析の手法を用いて分析し,母親のレジリエンスについてカテゴリー化した.

    結果:母親のレジリエンスとして【退院への意志】【ネガティブ感情に負けない力】【夫の存在】【信頼できる医療者の存在】【子どもの生命力】【家族の存在】【妊娠と出産のポジティブな思い】【同じ境遇の母親の存在】【母親としてのプライド】【ソーシャルサポート】が抽出された.

    結論:医療的ケアを継続しながら在宅療養へ移行した先天異常のある子どもの母親のレジリエンスは,退院への意志,母親の性格,周囲の人々との信頼関係や支援,子どもの生命力,子どもとの相互作用によって培われた母親としての思いであった.出産前からの計画的な支援,母親と子どもの相互作用に着目した支援,在宅療養への段階的な支援が重要であることが示唆された.

  • 笠原 聡子, 杉本 千恵, 岡 耕平
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 160-168
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:二次元レジリエンス要因尺度(BRS; Bidimensional Resilience Scale)の信頼性と妥当性を看護学生と看護師で検討する.

    方法:看護学生246名と看護師881名に自記式質問紙調査を実施した.BRSについて,Cronbachのα,精神的回復力尺度(ARS; Adolescent Resilience Scale)との相関・偏相関分析,共分散構造分析による高次因子分析を行った.

    結果:看護学生230名と看護師742名から有効回答を得た.高次因子分析により2尺度(資質/獲得RS)7因子の2次元構造が確認された.統御力を資質RSから獲得RSに移行したモデルでの適合度改善はなかった.Cronbachのαは0.49~0.85であり,ARSと有意な相関があった.

    結論:BRSの信頼性と妥当性は確認されたが,一部因子では結果の解釈に注意が必要である.

  • 山口 真有美, 瀬戸 奈津子, 清水 安子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 176-183
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/13
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    目的:初期・二次救急外来で勤務する救急看護認定看護師の入院せず帰宅する患者に対する看護実践を構造化することである.

    方法:近畿圏内の救急看護認定看護師12名に半構造化面接を実施し,質的統合法(KJ法)を用いて分析した.

    結果:救急看護認定看護師は入院せず帰宅する患者に対し【医師が診察したあとの看護としての観察とアフターフォロー】,【援助を必要としている患者を見捨てない最後の砦となる】,【入院が必要か否かを探りつつ,帰宅後の生活も想像する】,【救急患者の不安や緊張を思いやり共感しながらも入院不要の納得を得る】,【短時間で帰宅後のリスク回避の方法を説明する】,【重症化の危険に備え,多職種との連携をはかる】,【医療・介護スタッフ,地域住民への救急対応教育】を実践していた.

    結論:患者の健康回復のみならず患者を元の生活に戻すことに責任を負う救急看護認定看護師の実践が明らかになった.今後は救急看護師の介入による救急外来再受診や一般外来への定期受診への影響について検討を要する.

  • 井沢 知子, 荒尾 晴恵
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 184-192
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
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    目的:II期以降の続発性リンパ浮腫患者が,複合的治療(以下CDT)を行う際のアドヒアランスを獲得していくプロセスを明らかにする.

    方法:CDTのアドヒアランスが獲得されている10名の女性リンパ浮腫患者に対して半構造化面接法による質的帰納的研究を行った.

    結果:患者がCDTのアドヒアランスを獲得するプロセスには,【知覚】【動機づけ】【実践】【医療者の存在】【障壁】の5つで構成されていた.それらは時間軸で4つの様相に分類されリンパ浮腫の増悪を知覚しCDTに取り掛かり始める様相から,リンパ浮腫を受け入れながらCDTの主体性ある取り組みが定着する様相へと変化していた.

    結論:患者が,CDTを行う際のアドヒアランスの獲得には,楽であるという【知覚】が,やろうという【動機づけ】と連動して,【実践】を引き起こす正の循環が,リンパ浮腫患者のCDTのアドヒアランスの獲得をもたらす可能性が示唆された.

  • 浅井 宏美
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 193-202
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
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    目的:新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit; NICU)における看護師のファミリーセンタードケア(Family-Centered Care; FCC)の実践の影響要因について仮説を検証する.

    方法:43カ所のNICUの看護管理者43名およびスタッフ1,700名を対象に質問紙調査を実施した.FCC実践の影響要因はマルチレベル分析および重回帰分析により探索した.

    結果:有効回答数(回答率)は,管理者40名(93.0%),スタッフ764名(44.9%)であった.FCC実践の個人的要因は,FCC信念(t = 9.11),個人レベルの組織風土(t = 4.79),臨床経験年数(t = 3.35)であり,組織的要因は集団レベルの組織風土(t = 3.33),両親の24時間面会可の方針(t = 2.62)であった.また,管理者の教育・管理行動の一部の項目と集団レベルの組織風土は有意な関連があり,FCC実践に間接的に影響していた.

    結論:良好な組織風土や家族の自由な面会方針は看護師のFCC実践を促進することが示唆された.

  • 大友 光恵, 斉藤 恵美子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 210-218
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/16
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    目的:産科病棟勤務の看護職が活用できる子ども虐待発生予防に向けた看護実践の自己評価尺度(NES-CMP)―産科病棟看護職版―を開発することを目的とした.

    方法:全国の産科医療機関から半数を無作為抽出した.そのうち同意が得られた79施設の産科看護職1,568名を対象として,郵送による無記名自記式質問紙調査を実施した.

    結果:739名(有効回答率47.1%)のデータを使用し信頼性と妥当性を検討した.探索的因子分析の結果,「多職種支援体制のための調整」,「信頼関係の構築」,「育児支援必要度の査定」,「チームケアの実践」の4因子30項目となった.尺度全体のクロンバックα係数は0.97であった.

    結論:本尺度は構成概念妥当性と内的整合性が確認でき,子ども虐待発生予防に向けた看護実践の自己評価に活用できる.

  • 石橋 信江, 東 ますみ, 藤永 新子, 西村 治彦
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 219-228
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/02
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    目的:慢性心不全患者への遠隔看護介入モデルが入院リスクの軽減,QOLの維持・向上に有用であるかを検証する.

    方法:入院を繰り返す65歳以上の慢性心不全患者11名にビデオ通話による看護介入を1年間実践し,介入前・中・後の入院回数と入院期間,体重,血圧,BNP値と,介入前後のQOLの比較・検討を行う.

    結果:介入1回あたりの平均通話時間は11.5±3.6分で,介入前の入院回数は全員が2~5回/年だったが,介入中は9名が入院することなく,そのうち5名は介入後の1年間も入院しなかった.BNP値等の数値に目立つ変化はなく,介入後のSF-36®による心理的側面の得点が有意に高かった.

    考察:患者に合わせた短時間の集約的な介入の継続によってQOLを改善し入院を回避できたという結果から,遠隔看護介入モデルの有用性が確認できた.介入終了後も入院回避しており,在宅患者のセルフモニタリング能力の強化に繋がることが示唆された.

  • 中島 富有子, 原 やよい, 窪田 惠子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 229-236
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/02
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    目的:口腔ケアにおける精神科看護師と歯科医師との連携の実態を明らかする.

    方法:精神科看護師を対象に,口腔ケアにおける歯科医師との連携に関して探索的記述研究(質問紙調査)を行った.

    結果:有効回答186名のデータを分析した.口腔ケアにおいて,精神科看護師の約85%が歯科医師連携の課題を持っているが,約35%が歯科医師とまったく連携していないことが明らかとなった.看護師経験年数が長いと歯科医師と連携する傾向や精神科看護師自身の口腔QOLが低いと歯科医師と連携する傾向があった.歯科医師と連携している精神科看護師の方が,機能的口腔ケアを十分と思う傾向にあった.看護実践力が高い精神科看護師の方が歯科医師と連携し,さらに歯科医師連携の課題を持っていた.口腔ケアの重要性を強く感じる精神科看護師の方が,歯科医師連携の課題を持っていた.

    結論:本研究では,口腔ケアにおいて歯科医師連携の課題を持ちながら,連携できない精神科看護師の存在が明らかになり,連携に向けた取り組みの必要性が示唆された.

  • 社本 生衣, 小松 万喜子, 米田 雅彦
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 245-254
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/05
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    目的:臥床状態で負担が少なく細菌汚染を除去できる洗髪技術を考案しその効果を検証する.

    方法:湯量(5 L・10 L),湯の流し方(手掌を椀状にして溜め湯をつくり揺らしながら流す・頭髪に指を通して流す)を組み合わせた4つの洗髪方法で健康成人各5名に実施し,洗髪前後の頭髪および頭皮の細菌数(ブドウ球菌),トリグリセライド(TG)量,主観的評価を調査し,実施前を基準として変化率を算出した.

    結果:細菌数は,頭髪では10 Lで溜め湯の中で頭髪を揺らして流す方法で0.34 ± 0.05と減少した(p < 0.05).頭皮は全方法で1未満となったが湯量が多い方がより減少した(p < 0.05).TG量は,頭髪も頭皮も湯の流し方に関らず湯量が10 Lの方が減少した.主観的評価に有意差はなかったが,溜め湯をつくって流す方法で爽快感が高い傾向がみられた.

    結論:10 Lの多めの温湯で,手掌を椀状にして溜め湯をつくり頭髪を揺らして流す方法が細菌汚染を効果的に減少させる.

  • 谷山 牧, 荒木田 美香子, 山下 留理子, 橋本(小市) 理恵子, 大久保 豪, 甲斐 一郎
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 263-273
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/16
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    【目的】就労支援を受ける生活保護受給者,生活困窮者自立支援法対象者(以下,生活困窮者)31名への面接調査を通じ,就労意欲に影響を与える健康特性を明確化すること.

    【結果】質的分析の結果,【他者から理解されがたい持続的な苦痛】,【ストレスへの脆弱さ】,【社会的適応の困難さ】,【自己流の健康管理】の4カテゴリーを抽出した.また,就労意欲への影響要因として,【就労することへの期待】,【生活保護廃止への不安と葛藤】,【社会から排除されているという感覚】の3カテゴリーを抽出した.これらが関連し〖健康課題を抱えながらの就労と,生活保護受給継続との間での就労意欲のゆらぎ〗を引き起こしていた.

    【結論】今回抽出した健康特性からみると,生活困窮者の就労支援に医療や心理の専門職が参加することにより,効果的な就労支援につながる可能性が示唆された.

  • 木村 裕治, 多留 ちえみ, 福田 敦子, 宮脇 郁子
    原稿種別: 原著
    2018 年 38 巻 p. 274-284
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/16
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    背景・目的:看護師には看護実践の質向上の責務があるが,困難な状況がある.本研究では,看護専門職の成長を促す教育支援に資するため,特定機能病院の看護師が看護実践を価値づけ,やりがいを獲得し成長していくプロセスを明らかにする.

    方法:経験年数5~10年のA病院の看護師18名を対象に半構造化面接を行い,M-GTAを用いて分析した.

    結果:看護師は【どうしたらよいかわからなくて不安な中でもがく】が【試行錯誤し,ひと通りの業務はこなせると感じる】.そして,【自分の看護実践について内省し,次への原動力とする】ことで核となる【看護実践過程の展開とその価値を実感する】に至っていた.さらに【患者の反応やチームメンバーの言動に気づく】【チームの成長に貢献したいと思う】【看護師として成長できていたと気づく】【自分の看護実践について内省し,次への原動力とする】が相互に関連し,【より良い看護を目指し,看護を探究する】に至っていた.

    結論:看護師が看護実践を内省し,価値を見出せるようなチームとしての支援が重要である.

資料
  • 三木 珠美, 大岩 美樹
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 56-63
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/12
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    目的:がん化学療法誘因性末梢神経障害への効果的な運動療法について,文献から検討を行い,示唆を得ることである.

    方法:医学中央雑誌とPubMedを用い過去5年間の原著論文で,末梢神経障害に対する運動療法に限定し検索を行った.

    結果:対象文献は20件であり,糖尿病性末梢神経障害の文献が多くそれ以外は少数であった.運動は有酸素運動,レジスタンス運動,感覚運動が主であり,専門家による管理にて安全面への配慮がされていた.運動療法前後での比較では,全ての研究においてバランス力や歩行力に有意な改善を認めたが,群間比較による有意な改善は必ずしも明確ではなかった.

    結論:運動療法前後の比較から,がん化学療法誘因性末梢神経障害への運動療法の試験的導入は,神経症状やバランス力の改善に期待できるものと考える.運動内容は単独より複合的な運動プログラムにて,医療者の管理のもと軽度から始め中等度の負荷で維持することが適切と考える.

  • 那須 明美, 松本 啓子, 常国 良美, 亀高 泰世
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 82-88
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/03
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    目的:わが国の病院に勤務する看護師のInterprofessional Work(以下IPW)コンピテンシーに関する国内文献の知見を整理すること.

    方法:医学中央雑誌Web版(Ver. 5)とCiNii,Google Scholarを用いて,「協働」「コンピテンシー」「病院」「IPW」をキーワードとして文献を検索し,最終的に22件の原著論文を分析対象とした.

    結果:22文献の知見の要約は,【看護臨床能力に含まれるIPW能力】【看護の卓越性としての調整力】【職種間コミュニケーション】【看護教育と実践によるIPWの能力育成】に分類された.

    結論:わが国の病院に勤務する看護師のIPWに関するコンピテンシーは,様々な看護活動に必要であり,看護の卓越性に重要な要素であった.また,職種間のアサーティブなコミュニケーションが重要であった.今後は,関係職種側からの評価やコンフリクト解決について,より実践的な検討が課題であることが示唆された.

  • 小西 円, 西田 佳世
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 203-209
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/16
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    目的:介護保険施設に入所する高齢者を対象に,仮眠時間帯の居場所・姿勢と仮眠時間の実態を把握し,その特徴を明らかにする.

    方法:介護保険施設に入所する高齢者20名を対象に3日間,アクティグラフによる睡眠変数の測定と行動観察を用いた居場所・姿勢の調査を行った.その後,協力者を仮眠時間帯に30分未満の仮眠をとった短時間仮眠群,30分以上の仮眠をとった長時間仮眠群の2群に分け,仮眠時間の長短における特徴を分析した.

    結果:各仮眠群と仮眠時間帯における滞在数に有意な差があり,短時間仮眠群は長時間仮眠群と比較し仮眠時間帯の居室滞在数が少なく,共同生活室の滞在数が多かった.

    結論:入所高齢者は,13時から15時の仮眠時間帯に共同生活室でより多く過ごすことにより,他者との交流時間の増加,施設スケジュールに沿った生活時間の増加があると考えられた.そしてこれらの増加が,入所高齢者の仮眠時間を調節する要因の一つであると示唆された.

  • 藤田 優一, 北尾 美香, 植木 慎悟, 藤原 千惠子
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 237-244
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/02
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    目的:2年次後期の小児看護学演習科目における看護過程の展開でジグソー法を取り入れたアクティブラーニングを実施した.その実施後の学生からの評価について示した.

    方法:学生76名を4人1組19グループに分けた.4つのアセスメントの視点(疾患・治療,生活,成長・発達,家族)ごとにエキスパートグループでアセスメントを深め,もとのジグソーグループに戻り教え合った.その後,関連図作成,問題明確化,計画立案をした.全体での発表の後にアンケートを配付した.

    結果:65名より有効回答があり,「積極的に参加できた」「責任を持って参加できた」という学生が9割以上を占め,ジグソー法の満足度は平均80.5点であった.

    結論:ジグソー法を取り入れたことで,学生はグループに対する自身の課題と責任の所在が明確になり,積極的な姿勢で参加ができた.本調査では学生からの満足度は高く,好意的に受け入れられていた.

  • 緒形 明美, 會田 信子, 小木曽 加奈子
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 255-262
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/16
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    目的:介護老人福祉施設の看護職員と介護職員が考える人材定着に必要な職場環境の要素を明らかにし,組織運営のあり方への示唆を得ることである.

    方法:看護職員と介護職員で構成される3施設の計18名を対象に,フォーカスグループインタビューを実施し,質的帰納的に分析した.

    結果:看護職員と介護職員が考える人材定着に必要な職場環境の物質的要素として,【働きやすい労働条件】,【ケアの質を高める体制】,【人材を育てる取り組み】が,人的要素として【上司の支援】,【職員間の調和】が抽出された.

    結論:組織運営には,仕事と休暇の調和,職種の専門性を尊重した勤務形態,職員個々の能力開発のための教育体制の充実が必要である.また,施設長・上司を含めた施設内スタッフ間のサポート体制を基盤とした人的環境つくりが重要であることが示唆された.

  • 井村 紀子, 大塚 眞理子
    原稿種別: 資料
    2018 年 38 巻 p. 285-291
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/19
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    目的:医療福祉系学部をもたない看護系大学に在籍する学生の多職種協働に関する体験的学習の現状を明らかにする.

    方法:医療福祉系学部をもたないA大学看護学部4年生を対象に,多職種協働に関する体験的学習について質問紙調査を行った.選択回答式質問は単純集計し,自由回答式質問は質的帰納的に分析した.

    結果:看護学生は臨地実習で看護職以外の他の専門職と関わると共に,多職種と協働する看護師の行動を観察し,多職種協働に関わる知識を得ていた.「保健医療福祉における協働と連携をする能力」の卒業時到達目標を達成したと学生は評価したものの,チーム活動に関わる評価は相対的に低かった.また,他の専門職との立場の違いに加え,職種の専門性と役割の知識不足を感じ,他の専門職との間に障壁を抱いていた.

    考察:看護学生は4年間の臨地実習を通し,多職種連携のための協働的能力について学んでいた.今後はチームで問題を解決する能力を向上させる教育の工夫が必要である.

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