日本看護科学会誌
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最新号
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総説
  • 山下 千絵子, 日沼 千尋
    原稿種別: 総説
    2026 年46 巻 p. 168-180
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/12
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    目的:「発達障害をもつ子どもの親の子育て」の概念を明らかにする.

    方法:Rodgersの概念分析の手法を用いた.発達障害児及び発達障害,親,子育てをキーワードに文献を検索し,国内文献30件,海外文献13件,計43件を分析対象文献とした.

    結果:属性は【手探りで子どもの特性に向き合い心身をすり減らす】【行動パターンに合わせて生活習慣の自立を促す】【子どもの特性と親としての期待に折り合いをつける】【子どもが生きていくための居場所をつくる】,先行要件は【コントロール困難な情緒的特性への戸惑い】等,帰結は【親としての自負】等が抽出された.

    結論:発達障害をもつ子どもの親の子育てとは,「手探りで子どもの特性に向き合い心身をすり減らしながらも,子どもの特性と親としての期待に折り合いをつけ,子どもの行動パターンに合わせて生活習慣の自立を促すことや子どもが生きていくための居場所をつくること」であった.

原著
  • 関山 友子, 江角 伸吾, 村上 礼子, 春山 早苗
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 1-11
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/21
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    目的:eラーニング形式のShared Decision-Making(SDM)教育プログラムを開発し,SDM実践の行動意図への影響を評価する.

    方法:全国の医療機関の中堅看護師49名を対象とした単群前後比較研究である.自己主導型eラーニングを実施し,CPD-Reaction質問票で受講前・直後・1か月後の行動意図を測定した.

    結果:行動意図スコアは受講直後に向上したが(p = 0.001),1か月後には介入前との有意差が消失した.受講直後の行動意図には「能力に関する信念」(β = 0.445)と「道徳規範」(β = 0.386)が正の関連を示した.道徳規範スコアのみが1か月後も向上を維持した.

    結論:開発したeラーニング形式のSDM教育プログラムは中堅看護師の行動意図を短期的に向上させるが,効果の持続性に課題がある.SDM実践の促進には能力に関する信念と倫理規範の重要性が示唆された.

  • 段下 大, 大山 祐介, 辻 麻由美, 石松 祐二, 吉田 浩二
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 12-23
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/21
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    目的:急性期病院における病棟看護師の脳卒中患者への退院支援実践状況と関連要因を明らかにする.

    方法:日本脳卒中学会の一次脳卒中センターコアに認定された病院の脳外科/脳神経内科病棟の看護師719名に対し,病棟看護師の退院支援実践自己評価尺度を含む質問紙調査を実施した.

    結果:有効回答180名を分析対象とし,重回帰分析の結果,退院支援カンファレンスの実施(β = .260, p < .001),医師との連携(β = .205, p = .005),教育課程外での退院支援教育受講(β = .185, p = .007),手順書・マニュアルの活用(β = .177, p = .008)の順に関連していた.

    結論:脳卒中患者の退院支援を行う病棟看護師では,退院支援カンファレンスの活用,医師との連携,教育課程外での退院支援教育の受講,および手順書・マニュアルの活用があるほど,退院支援実践力が高いことが示された.

  • オルランド ヤコポ, 加藤 佳子
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 24-32
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/27
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    目的:精神科看護師を対象に,患者との関係に伴うストレッサー(患者関係ストレッサー)と感情労働及び情緒的消耗感の関連を検討した.

    方法:精神科看護師162名(38.24 ± 11.59歳)を分析対象者とし,患者関係ストレッサー,感情労働(患者へのネガティブな感情表出及び共感・ポジティブな感情表出),情緒的消耗感の関連を共分散構造分析により検討した.

    結果:患者関係ストレッサーは情緒的消耗感に直接関連するとともに,患者へのネガティブな感情表出を媒介とし,情緒的消耗感に有意な正の関連を示した.一方,患者関係ストレッサーは患者への共感・ポジティブな感情表出に有意な正の関連を示したものの,患者への共感・ポジティブな感情表出は情緒的消耗感に有意な関連を示さなかった.

    結論:情緒的消耗感の軽減には,患者との関係に伴うストレッサーにより生じる患者へのネガティブな感情の調整を促し,患者へのネガティブな感情表出を緩和させることが有効であると示唆された.

  • 山口 陽子
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 33-43
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/11
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    目的:身体16部位の皮膚の生理機能測定により年齢区分別特徴を明らかにする.

    方法:20~80歳代の男女124名,身体16部位の角層水分量(以下,水分量),皮脂量,経表皮水分蒸散量(以下,TEWL),pHを測定し,青・壮年,中年,高年の3区分で比較した.

    結果・結論:水分量は高年が前腕屈側で青・壮年,中年より高く,足背で青・壮年,中年より低く,皮脂量は青・壮年が後頸部,上背部で中・高年より高かった.TEWLは高年が前腕伸側で青・壮年より低く,中年が前腕屈側で青・壮年より低かった.pHは部位による差があったが全年齢区分で弱酸性であった.水分量,皮脂量,TEWLによる総合評価では,加齢に伴う低下はあるが,総合評価が良い部位(上背部,前胸部)と全年齢区分で総合評価が悪い部位(手背,足背,大腿部,腹部)が明らかとなり,水分・油分を補い,擦らず優しく拭く等のケアが必要な部位であることが示された.

  • ~人的環境に焦点をあてて~
    笠井 由美子
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 44-52
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/11
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    目的:NICU/GCUに入院した児の母親がどのような体験をしているかを人的環境に焦点をあてて明らかにすること.

    方法:低出生体重児を出産した母親を対象に半構造化インタビューを行い,質的記述的に分析した.

    結果:対象者は13名で,母親の体験として【NICUという異空間がつくる閉ざされた空気感の察知】,【会話を躊躇させる内的葛藤】,【NICUに面会に来る母親と交流したことで生まれた安堵】,【NICUに面会に来る母親とは交流がない中で,意識し影響し合う存在】,【当事者にしか分からない感情の複雑さが生む孤独】,【医療者とコミュニケーションすることへの期待と躊躇い】,【家族の存在の大きさを認識】が抽出された.

    結論:母親に対して,子どものために何かできたと感じる体験,母親のコミュニティを踏まえた支援,母親同士がつながる機会の提供が必要と示唆された.

  • 吉田 美由紀, 陶山 啓子
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 53-64
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/11
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    目的:多職種統合チームによる在宅緩和ケア実践評価尺度を開発することを目的とした.

    方法:多職種へのインタビュー調査結果から,61項目の尺度原案を作成し,全国の在宅医,訪問看護師,介護支援専門員,介護福祉士,薬剤師を対象にWeb調査を実施した.得られたデータを3群に分割し,段階的に探索的因子分析,確認的因子分析を行い,尺度の信頼性・妥当性の検証を行った.

    結果:有効回答914件(回収率8.4%)であった.因子分析の結果,尺度は【臨機応変な対応に基づく希望実現】,【予測に基づく苦痛緩和】の2因子(17項目)で構成された.モデル適合度はGFI = .95,AGFI = .93,CFI = .95,RMSEA = .05,McDonald’s ωは.85以上であった.

    結論:本尺度の信頼性・妥当性が確認できた.今後,さらなる実用可能性の検証とアウトカムとの関連の検証が求められる.

  • 杉山 由香里, 比嘉 勇人
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 65-73
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/13
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    目的:地域で暮らす統合失調症を経験している人の自己成長感を明らかにすることである.

    方法:統合失調症を経験している10名を対象に,個別の半構造的面接を実施し,自身が感じている成長に関する回答内容を質的記述的に分析した.

    結果:統合失調症を経験している人の自己成長感は,【喪失と現実の折り合いをつけながら生き方を再構築している】【病気の経験や日常の出来事に新たな意味を見いだしている】【病気を抱える自分を理解し受け入れ自分らしさを取り戻している】【他者とのつながりを取り戻し支え合える関係へと深めている】の4つのカテゴリが生成された.

    考察:統合失調症を経験している人の自己成長感は,希望と不安などの間でゆらぎつつ自己調整を重ねて前進が実感される,喪失と前進が併存する「ゆらぎの中の成長感」であり,生き方の再構築感,新たな意味づけ感,自分らしさの回復感,他者との共生感によって特徴づけられることが示唆された.

  • 西田 千夏
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 74-83
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
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    目的:発達障害児の両親が過去の体験と現在の育児をどう結びつけるかについて,ナラティブ分析により検討する.

    方法:発達障害のある小学生から中学生までの子どもを育てる両親に半構造化インタビューを実施した.

    結果:発達障害児の両親は,過去の体験と現在の育児を【自分の親との体験から形成された育児観や子どもとの関わり方】,【自分の子ども時代と照らし合わせてのわが子の立場への想像】,【職業体験からの育児への葛藤】,【配偶者と共に子どもに関わってきた体験からの育児方法や考え方】,【支援機関での体験が育児に及ぼした影響】のテーマから結びつけていた.過去の体験が現在の育児に結びついている語りには,概要から行動の展開,評価・帰結に進む構造が確認できた.

    結論:今後は,発達障害児を育てる両親の過去から現在のつながりを意識した支援や,語ることを支援に活かすための検討が必要である.

  • 森 つばさ, カルデナス 暁東
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 84-93
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
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    目的:中国で看護基礎教育を受け,大学院に進学した日本での臨床経験をもつ中国人看護師の経験を記述することを目的とした.

    方法:日本で修士課程を修了した6名の中国人看護師に半構造化面接の結果をKJ法にて分析した質的記述的研究である.

    結果:対象者らは【自分らしい人生への希求】と【将来への備え】を基盤に【専門職としての成長への意欲と決意】から大学院に進学した.彼らの姿を見た日本人看護師にも【逆境を越えた挑戦の連鎖】が生じたと感じ【専門職としての成長の手応え】と【広がった視野と将来への展望】は,【さらなる学習と教育への意欲】につながった.また【日本人との心の通う交流】を持てたことで,彼らにとって大学院進学は貴重な経験となった.

    結論:中国人看護師の大学院進学は彼らのスキルアップに加えて日本人看護師の意欲を高めたという感覚を生んだ.相互理解と尊重に基づく彼らへの支援は,より良い異文化協働の鍵となる.

  • 平良 由香利, 神里 みどり
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 94-106
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
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    目的:外来通院中の冠動脈疾患患者の不眠と睡眠衛生との関連を明らかにする.

    方法:外来通院中の75歳以下の冠動脈疾患患者を対象に睡眠と睡眠衛生に関する自己記入式質問紙調査を行った.分析は不眠群と非不眠群の比較のためにt検定とχ2検定を行い,睡眠衛生を含む不眠の関連要因は多変量ロジスティック回帰分析を行った.

    結果:有効回答は227名,不眠の有症率は48.6%,平均睡眠時間は6.37 ± 1.4時間であった.不眠の関連要因は,不適切な睡眠衛生,睡眠不足の自覚,初発から1年未満の者,胸痛や胸の苦しさによる睡眠困難であった.

    結論:冠動脈疾患患者の不眠には,適切な睡眠衛生と疾患特異性を考慮した対応が必要である.外来で可能な不眠に対する睡眠衛生の効果については今後の検証が求められる.

  • 大北 真弓, 松岡 真里, 村端 真由美
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 117-124
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
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    目的:重症心身障害をもつこどもの採血に初めて付き添った母親の体験を明らかにし,言葉で意思を伝えることが難しいこどもの採血に母親が同席する意義を検討することである.

    方法:A県内の2施設の小児科外来で,重症心身障害児の採血に初めて付き添った母親10名を対象に半構造化面接を実施し,テーマ分析を用いて分析した.

    結果:【動揺】【親としての喜び】【よりよい採血への希求】の3つの主要テーマが抽出された.母親は,医療者の関わりがこどもの特性に合っていないことに戸惑い,こどもの苦痛に共感する一方で,こどもの頑張る姿に成長を感じ,親役割を再認識していた.また,よりよい採血環境を求め,親の参加やこどもの特性を考慮した対応の重要性を認識していた.

    結論:本研究は,重症心身障害児の採血における母親の役割と心理的影響を明らかにし,医療者と親が協力することで,より適切な採血支援が可能であることを示唆した.

  • 安田 陽子, 矢嶋 裕樹, 矢庭 さゆり
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 136-144
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/01
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    目的:本研究は,性機能障害を有する産後女性の助産師への相談行動意図に関連する要因を計画的行動理論に基づいて明らかにすることを目的とした.

    方法:Web調査により回答が得られた産後女性500名のうち,産後3年未満,かつ性機能障害を有すると認められた女性383名(76.6%)を分析対象とした.計画的行動理論の構成要因である「行動への態度」「主観的規範」「行動統制感」を説明変数,助産師への相談行動意図を目的変数とするロジスティック回帰分析を実施した.

    結果:性機能障害について助産師に相談した経験がある者は全体の35人(9.1%)にとどまった.ロジスティック回帰分析の結果,行動への態度及び主観的規範が相談行動意図と有意に関連していた.一方,行動統制感との関連は認められなかった.

    結論:産後女性の助産師への相談行動意図は,行動への態度と主観的規範によって促進されることが示唆された.

  • 上野 妙子, 師岡 友紀
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 145-155
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/01
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    目的:本研究は,日本の医療機関における日本語を母語としない外国人患者への看護実践上の配慮を明らかにすることを目的とした.

    方法:外国人患者への看護経験が豊富な看護職8名に対し,その看護実践上の配慮について半構成的インタビューを行い,質的記述的に分析した.

    結果:日本語を母語としない外国人患者への看護実践上の配慮は【患者の日本語能力に合わせて伝わる言葉を駆使する】【機械翻訳を活用し制約の少ない互いの母語での会話を促進する】【異なった文化や言語による不安が和らぐように環境を整える】【文化や言語の違いも個別性の一つとして捉え,個として向き合う】【文化的背景の情報共有と支援体制をチームで整える】などの8カテゴリに集約された.

    結論:本研究で明らかになった看護実践は,言語的障壁をふまえ多様な手段で意思疎通を図り,個別性を尊重し,組織的支援も含め展開されることが示された.

  • 永野 英美, 田中 奈美, 津田 彰
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 156-167
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/01
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    目的:小児訪問看護師の経験年数(5年未満/5年以上)別に,医療関連機器褥瘡(MDRPU)予防の知識,技術および実践と関連要因,ケアの困難感を明らかにすること.

    方法:A県の訪問看護師を対象にMDRPU予防に関する無記名質問紙調査を実施した.量的データは統計解析,質的データはテキストマイニングを用いる混合研究デザインとした.

    結果:有効回答219名(5年未満群121名,5年以上群98名)であった.量的分析では,5年以上群は5年未満群と比較し,特に「子ども・家族への教育」の実践が有意に高かった.質的分析では,困難感の質が経験年数で異なり,5年未満群は知識不足による『内的な不確実性』を5年以上群は他者・環境との相互作用から生じる『関係性・構造的課題』を認識していた.

    結論:量的・質的結果の統合から,MDRPU予防能力の育成には,経験年数に応じた段階的な教育,支援体制の構築が重要と示唆された.

  • 上妻 京子, 岩脇 陽子, 松岡 知子, 山本 容子, 室田 昌子
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 192-202
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/12
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    目的:新人看護師指導役割を担う看護師が抱くアンビバレンス(両価性)と,精神的健康および職務満足度との関連を明らかにする.

    方法:新人看護師指導役割を担う看護師を対象に質問紙調査を実施し,311名を分析対象とした(回収率32.8%・有効回答率78.9%).調査内容は,基本属性,プリセプター役割自己評価尺度(やりがい感,負担感),ケスラー心理的尺度(K6),職務満足度測定尺度とした.やりがい感と負担感の中央値で4群に分け,Kruskal Wallis検定と多重比較を行った.

    結果:「アンビバレント群」は,「やりがい高・負担低群」に比べて,K6で有意に高値を示し,「職務満足度」および下位尺度「上司からの適切な支援」「働きやすい労働環境」で有意に低値を示した.

    結論:アンビバレントな状況にある看護師には,負担感の軽減が重要であり,上司からの適切な支援,働きやすい環境の整備が必要であることが示唆された.

  • 中村 幸代, 習田 明裕
    原稿種別: 原著
    2026 年46 巻 p. 203-214
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/15
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    目的:「看護師の健康と仕事に対する態度尺度」を開発し,信頼性および妥当性を検証する.

    方法:一般病床500床以上の看護師1,847名へ質問紙調査を実施した.46項目の尺度に対して項目分析と因子分析を実施し,Cronbach’ α係数にて信頼性を確認した.妥当性は基準関連妥当性および構成概念妥当性を確認した.

    結果:811名から回答が得られ(回収率43.9%),796名(有効回答率43.1%)を分析対象とした.探索的因子分析にて5因子22項目が得られCronbach’s α係数は尺度全体で0.91,下位尺度では0.72~0.86で内的整合性が確認された.組織風土尺度(r = 0.309),援助規範意識尺度(r = 0.226),看護職用職業的アイデンティティ尺度(r = –0.258)で基準関連妥当性が確認された.モデル適合度はGFI = 0.9,AGFI = 0.872,CFI = 0.908,RMSEA = 0.068にて構成概念妥当性が確認された.

    結論:5因子22項目が抽出され尺度の信頼性と妥当性が検証された.

資料
  • 納富 理絵, 西方 真弓, 山谷 美里, 有森 直子, 堀内 成子
    原稿種別: 資料
    2026 年46 巻 p. 107-116
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
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    目的:市町村母子保健窓口・子育て世代包括支援センター等の看護職が実施する出生前検査に関する情報提供の実施状況と課題を探求すること.

    方法:対象は,日本の市区町村及び指定都市の母子保健窓口等の看護職で,母子保健担当経験が1年以上の者とし,調査方法はWeb調査であった.分析にはカイ二乗検定とKJ法を用いた.

    結果:455名から有効回答を得た.出生前検査に関する情報提供の実施は「全ての妊婦に情報提供」19名(4.2%),「希望した妊婦にのみ情報提供」201名(44.2%),「情報提供を実施していない」235名(51.6%)であった.助産師資格保有者は情報提供実施率が有意に高く,研修受講歴のある者も有意に高かった.情報提供を行わない理由は「知識・準備不足」「妊婦のニーズがない」「医療機関が行うべき」等が挙げられた.

    結論:出生前検査に関する適切な情報提供を実施するためには,自治体看護職の知識とカウンセリング技術の向上を目的とした研修プログラムの開発が不可欠である.

  • ―エキスパート看護師との比較から―
    田辺 幸子, 水田 真由美, 岩根 直美, 坂本 由希子
    原稿種別: 資料
    2026 年46 巻 p. 125-135
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/19
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    目的看護学生(以下学生とする)およびエキスパート看護師の患者への関心を明らかにする.そして両者を比較することで学生への教育的支援の示唆を得る.

    方法:学生10名,エキスパート看護師3名にフォーカス・グループインタビューを実施しテーマ的コード化により分析した.

    結果:患者への関心として,学生,エキスパート看護師で類似のテーマは〈患者を理解しようとする心構え〉〈患者の心奥の望みを理解したい思い〉〈患者の生活を尊重する心構え〉,相違として学生では〈コミュニケーション時の患者への気配り〉〈患者の病状への注目〉〈患者の安楽の重視〉〈患者の気遣いや承認から生じる専心〉のテーマを見出した.

    結論:教育的支援として,患者の生活や病気体験が理解できる支援,患者とうまくコミュニケーションを取れる支援,患者に苦痛のないケアを行える支援,ケアを通して患者からの良い反応を受け取れる支援が必要との示唆を得た.

  • 中村 沙織, 永吉 美智枝, 髙橋 衣
    原稿種別: 資料
    2026 年46 巻 p. 181-191
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/12
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    目的:小児慢性疾病患者の成人移行支援を行う外来看護師による就労支援の内容と課題を明らかにし,看護師による就労支援のあり方へ示唆を得る.

    方法:質的記述的研究デザインを用い,外来看護師8名に半構造化面接を実施した.

    結果:看護師の就労支援は【患者の発達と理解力に応じた病気説明】,【自己管理移行の推奨】から開始された.さらに【職業準備性の育成】,【就労支援を受けるための相談能力の育成】,【職場への病気説明と調整の促し】があった.就職後は【就労状況の確認と就労継続に向けた調整】等10カテゴリが生成された.課題には【就労支援に関する知識と看護師のスキル不足】の7カテゴリが生成された.

    結論:小児期からの疾患理解と自己管理支援,疾患別の身体,心理社会面のアセスメントと就労相談支援の必要性が示唆された.移行期患者が抱える問題に気づき対応できる看護師の育成と成人診療科への支援引き継ぎ体制の強化が急務と考える.

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