日本看護科学会誌
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研究報告
終末期の訪問看護における時期別の期間と訪問頻度の違い
─がんとがん以外の事例の比較─
佐藤 泉山本 則子竹森 志穂平野 優子宮田 乃有深堀 浩樹上野 まり柏木 聖代木全 真理山田 雅子
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2011 年 31 巻 1 号 p. 1_68-76

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抄録

目的:在宅高齢者終末期の時期別期間とこの間に実施された訪問看護の頻度と体制について,がんとがん以外の事例を比較しつつ明らかにする.
方法:「良い」看護を提供していると判断される訪問看護ステーションの看護師31名から65歳以上のがん・がん以外の事例1件ずつ聴取し,終末期期間を分け「開始期」「維持期」「悪化期」「臨死期」について分析した.各期の期間・訪問頻度等を集計しがんとがん以外の事例を統計的に比較検討した.
結果:がん以外の事例はがん事例に比べ開始期と悪化期が有意に長く,長さは多様だった.訪問頻度はがん事例では臨死期から高く,がん以外の事例は悪化期から高くなった.緊急訪問はがん以外の事例の臨死期に約半数で実施されていた.
結論:がんとがん以外の事例で異なる経過と訪問看護の提供状況が見られ,事例毎に適切な看護が提供できるような制度上の工夫が看護師の技術向上とともに求められる.

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© 2011 公益社団法人 日本看護科学学会
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