Zairyo-to-Kankyo
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論文
橋梁桁内の付着イオンの露による洗い流し効果について
武邊 勝道大屋 誠安達 良安食 正太大田 隼也願永 留美子北川 直樹古川 貴士松崎 靖彦麻生 稔彦
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2008 年 57 巻 4 号 p. 188-193

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抄録

島根県東部の塗装橋梁を対象に,橋梁桁内での付着イオンの挙動について調査した.付着イオンは冬期から春期にかけ多くなる傾向がある.このことは,この時期に季節風の影響が強まり,飛来塩分の供給量が増すことと整合的である.付着イオンの量は蓄積期間の長さに比例しておらず,飛来して来るイオンの蓄積のみではその付着量を説明できない.集中豪雨前に比べて,集中豪雨後には,桁内の Naと Clの付着量が減少することから,溶解度の高い NaCl が鋼板面に付着した露によって洗い流されていると考えられる.以上のことから,付着イオンの組成は,飛来して来るイオンの量だけでなく,露による洗い流しの効果も受けていると考えられる.

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© 2008 公益社団法人 腐食防食学会
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