材料と環境
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論文
陽極酸化したアルミニウムの異種金属接触腐食
―酸化物皮膜構造と塩化物イオン濃度の影響―
坂入 正敏下山 由起也長澤 大介菊地 竜也高橋 英明
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2008 年 57 巻 4 号 p. 194-200

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抄録
アルミニウム試料の異種金属接触腐食に及ぼす皮膜構造(緻密型と多孔質型)の影響をNaClを含む0.5 kmol/m3 H3BO3 / 0.05 kmol/m3 Na2B4O7溶液中で電気化学不規則信号(電気化学ノイズ)測定より調べた.孔食が起こると振動を伴いながら電位は急激に低下し,電流は急激に増加する.電位と電流の変化は良い相関を示す.どちらの皮膜もその厚さが厚くなるに従って,塩化物イオン濃度が低くなるに従って孔食誘導期間は長くなる.多孔質型皮膜形成試料の孔食誘導期間は,緻密型皮膜形成試料の孔食誘導期間に比べて長い.孔食誘導期間の逆数は塩化物イオン濃度のn乗に比例する.ここで,nは1.2から2.5である.
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© 2008 公益社団法人 腐食防食学会
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