2006 年 1 巻 3 号 p. 33-43
道路防災点検によって抽出された早急に対策を要する膨大な数の危険斜面の中から, 優先的に対策を施すべき危険斜面を選定するための手法として, すべての危険斜面に対して対策の優先順位をつけるロジットモデル解析を提案する。岐阜県内の特定の地域を対象に, 防災専門家による点検結果の所見に含まれるキーワードから, これまでに優先的に対策が施された危険斜面の選定に大きな影響を及ぼしたと考えられるキーワードを抽出し, そのキーワードを基準要因とする要因モデルを構築した。構築した要因モデルを岐阜県内の他の地域に適用して対策の有無の的中率を算出し, 本解析手法の妥当性を検証した。また, 本解析手法をシステム化するにあたり道路防災点検結果をデータベース化し, 解析・データ管理する基盤として道路防災GISを構築した。