1978 年 22 巻 3 号 p. 169-177
水稲のツマグロヨコバイ耐虫性の要因となっている抗生作用の簡易検定法を確立することを目的として,生存虫率を指標とする芽出し苗,幼苗,葉検定法について検討した。
1. 各検定法にはそれぞれ特徴があり,各種の要因によって指標とした生存率は変動するが,耐虫性強品種と感受性品種は明確に区別することができる。
2. 幼苗を用いる芽出し苗,幼苗検定法は周年検定が可能であり,耐虫性品種の検索には適するが,交配後代の個体選抜には不適当である。
3. 葉検定法は検定時期に制約があり,周年検定には問題があるが,耐虫性品種の検索や遺伝的研究,交配後代の個体選抜など各種の検定に適する。
4. これら3種の検定法の特徴を考慮して利用すれば,それぞれ簡易検定法として利用できる。