人間工学
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食品の温度が形態識別能と嗜好に及ぼす影響
堀尾 強
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キーワード: 食品, 嗜好, 温度, 形態, 感覚
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1999 年 35 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

健康な男女大学生40名を対象に, 食品の温度が形態識別能と嗜好性にどのように影響するのかを調べた.
テクスチャーの異なるカマボコ, トウフを用いて10℃, 36℃, 60℃のときの楕円柱と直方体の形態識別能を調べ, 比較した. 3点比較法による形態識別テストを行った. また, 温度の異なる食品の嗜好性については, 7段階評定尺度法による嗜好テストを行った.
カマボコの楕円柱は, 10℃と60℃より36℃の識別能力がよく, トウフの楕円柱および直方体では, 60℃より36℃の識別能力が高かった. 嗜好度についてはカマボコの10℃, 36℃, 60℃の間では差がみられなかったのに対して, トウフでは10℃と60℃の嗜好尺度値が36℃の嗜好尺度値より高く, 好まれていた.
以上より, 口腔内における食品形態識別能力が温度によって異なり, その能力と嗜好性は相関がないことが示唆された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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