抄録
本論文では, 階層メニューの評価・改善法を提案し, カーナビの施設・ジャンル検索メニューを対象として, その妥当性を検証する. 提案する手法は2段階からなる. 第1段階では, 評価対象の階層メニューがどのようなコンテクストのなかで利用されるのかをインタビューにより調査する. これにより, ユーザが目的地設定を行う際にとる手段, 利用する知識, 経験, および外部情報, 生じる問題点, その回避法を明らかにする. そして, ユーザが目的地設定をメニューを介して行う際に, うまく行えない状況を明らかにする. 第2段階では, 問題の起こりそうなメニューを対象として数百人規模の質問紙調査を実施し, メニュー文言に関するユーザの知識を明らかにする. そして, その結果に基づいてユーザのメニュー選択傾向を予測し改善案を策定する. さらに, 本提案手法によるメニュー項目選択予測がユーザテスト結果と一致することを示し, 改善案が妥当であることを示す.