日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児尿路感染と予防投薬に関するアンケート調査報告
山口 孝則中井 秀郎林 祐太郎金子 一成大友 義之吉村 仁志
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2007 年 20 巻 2 号 p. 123-130

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抄録
 RNフォーラム幹事施設に対して,UTIの診断や,VURに対する予防投薬の現状についてアンケート調査を実施した。
 採尿法は,乳幼児ではパック尿,年長児では中間尿採尿が多く,尿路感染の診断は膿尿を重要視する傾向にあり,尿培養検査は必須とするものの,その判定には差があった。UTI診断後は超音波検査とVCUGにて検査をし,乳幼児では一度でもUTIを起こせばVCUGを施行していた。
 VURに対する予防投与はセフェム系を用いる施設が多かったが,対象の年齢,VURの程度,期間や投与法などは大きく異なった。UTIの要因となる包茎,便秘症,不安定膀胱についてはあまり積極的に検索しない反面,下部尿路通過障害に対しては積極的にVCUG検査をする施設が多かった。
 結果的にUTIの診断やVURの予防投与については各施設でさまざまであり,今後早急なガイドライン作成が必要と思われる。
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© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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