抄録
RNフォーラム幹事施設に対して,UTIの診断や,VURに対する予防投薬の現状についてアンケート調査を実施した。
採尿法は,乳幼児ではパック尿,年長児では中間尿採尿が多く,尿路感染の診断は膿尿を重要視する傾向にあり,尿培養検査は必須とするものの,その判定には差があった。UTI診断後は超音波検査とVCUGにて検査をし,乳幼児では一度でもUTIを起こせばVCUGを施行していた。
VURに対する予防投与はセフェム系を用いる施設が多かったが,対象の年齢,VURの程度,期間や投与法などは大きく異なった。UTIの要因となる包茎,便秘症,不安定膀胱についてはあまり積極的に検索しない反面,下部尿路通過障害に対しては積極的にVCUG検査をする施設が多かった。
結果的にUTIの診断やVURの予防投与については各施設でさまざまであり,今後早急なガイドライン作成が必要と思われる。