日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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原著
慢性尿路感染症のDMSAによる検討
野々田 亨千原 克矢崎 雄彦
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1990 年 3 巻 1 号 p. 69-73

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抄録
 膀胱尿管逆流 (VUR) を含む慢性尿路感染症24例と,正常小児5例にDMSAによる定量的腎シンチグラムを施行し,その有用性について検討した。正常小児におけるDMSA摂取率の平均は19.0±5.1%であった。VURを有する症例は,VURの程度が高度なものほどDMSA摂取率は低値を示した。VURを含む慢性尿路感染症におけるDMSA総摂取率とクレアチニンクリアランスは正の相関を示した (r=0.77)。腎瘢痕の発見率は,DMSAによる腎シンチグラムがIVPに比し有意に高かった。DMSAによる定量的腎シンチグラムは,VURを含む慢性尿路感染症の分腎機能検査として有用であり,腎瘢痕の早期発見に役立つものと思われた。
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© 1990 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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