日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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正常新生児および非呼吸器疾患小児における血清KL-6値
高瀬 真人今井 丈英向後 俊昭
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1999 年 10 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

KL-6は血清可溶性糖蛋白抗原のひとつで, 成人領域では間質性肺疾患の活動性を示す血清マーカーとして臨床応用されているが, 小児期の血清KL-6についてはほとんど検討されていない。そこで, 小児期における血清KL-6の基準範囲について検討した。対象は小児群として生後1ヶ月以降16歳までの非呼吸器疾患患児101例を, 新生児群として正常正期産児40例を検討した。結果は小児群の血清KL-6値には性差はなく, 一定の年齢傾向もなかった。白血球数やCRP値とも相関はなかったが, LDH値とは弱い正相関を認めた。基準範囲は83.7~249.9U/ml (中央値149.0U/ml) と算出された。新生児群は小児群よりKL-6値が有意に低値 (p<0.05) であり, その基準範囲は50.8~226.3U/ml (中央値107.2U/ml) となった。新生児群ではKL-6値と性, 在胎週数, 分娩方法, 出生体重, 採血時日齢との関連について検討したが有意な関連はなかった。

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