日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を行った横行結腸間膜原発GISTの1例
原田 浩五代 天偉深野 史靖田村 功鈴木 紳一郎下山 潔
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2008 年 69 巻 3 号 p. 682-686

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抄録

症例は72歳,男性.2006年8月会社の健診で肝障害を指摘されたため当院内科受診,腹部CT検査で胃体部大彎に接する径5cmの腫瘤を認めた.上部消化管内視鏡検査では粘膜面に異常なく壁外発育性の胃GISTの診断で10月27日腹腔鏡下腫瘍摘出手術を施行した.腫瘍は胃には癒着を認めるだけで横行結腸間膜に由来していた.病理組織検査では紡錘形の細胞が束状配列をとりながら増殖しており核分裂像は認められなかった.免疫組織学的検査ではc-kit陽性,CD34陽性,NSE陽性であり横行結腸間膜原発のGISTと診断した.腸管外組織を原発とするGIST(EGIST)は稀であり最近の本邦報告例とともに若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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