日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
結腸浸潤によりイレウスで発症した膵腺扁平上皮癌の1例
池永 照史郎一期豊木 嘉一堤 伸二石戸 圭之輔鳴海 俊治袴田 健一
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 70 巻 3 号 p. 854-858

詳細
抄録

膵腺扁平上皮癌は膵癌の約2%に存在する比較的まれで,予後不良な疾患である.今回われわれは,結腸浸潤を伴った膵腺扁平上皮癌の1例を経験した.症例は58歳,女性.発熱,下痢を主訴に紹介医を受診.腹部CTで結腸癌膵浸潤,もしくは膵癌結腸浸潤疑いの症例として当科紹介となった.精査にて結腸癌膵浸潤,肝転移の診断にて左結腸切除,膵体尾部切除,脾摘,肝部分切除術施行.手術所見では結腸癌膵浸潤(DT,4型,circ,16×7×4.5(cm),SI(pancreas),N2,H1,P0,M0,stageIV,CurB)であったが,病理所見では膵癌結腸浸潤(pancreatic cancer,adenoasquamous carcinoma,INFγ,ly3,v3,ne2,mpd(+),T4,N1,fM1,stage4b)であった.術後経過良好で26PODに退院となった.若干の文献的考察を加え,報告する.

著者関連情報
© 2009 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top