日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
大量のオキシコドン投与中の患者に対する周術期管理
高橋 麗子早稲田 祐子新田 俊一
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2008 年 28 巻 1 号 p. 128-131

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抄録

  癌性疼痛に対して1日960mgのオキシコドンを内服していた患者の手術に, 全身麻酔を施行した. 手術中は吸入麻酔薬にフェンタニルを併用し, バイタルサインは安定していた. 覚醒遅延や呼吸抑制などのフェンタニルによる副作用は認めなかった. 術後は, フェンタニルを患者管理鎮痛法 (PCA) で静脈内投与し, 持続投与量は術前のオキシコドンの投与量から換算し, 良好な鎮痛を得ることができた. 術中のオピオイドの使用法や, 術後のPCAの設定に関しては, 症例を重ねて確立していくことが望ましい.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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